F&Bとは、「Food & Beverage(フード・アンド・ビバレッジ)」の略です。日本語では「食べ物と飲み物」を意味し、ホテル業界では主にレストランやバー、宴会、ルームサービスなど、飲食に関わるサービスや部門を指します。
ホテルの求人や組織図では、「F&Bスタッフ」「F&Bサービス」「F&Bマネージャー」といった名称を見かけることもあります。
ただし、F&Bが指す範囲はホテルによって同じではありません。調理まで含めてF&Bとするホテルもあれば、接客を担う料飲部門と調理部門を分けているホテルもあります。
この記事では、F&Bという言葉の意味から、ホテルではどのようなサービスが含まれるのか、求人を見るときに知っておきたいポイントまでわかりやすく解説します。
F&Bとは「Food & Beverage」の略
F&Bは、英語の「Food & Beverage」の頭文字を取った言葉です。
- Food:食べ物、食品
- Beverage:飲み物、飲料
読み方は「エフ・アンド・ビー」です。
言葉そのものは食べ物と飲み物を意味しますが、実際には単に食品や飲料そのものを指すとは限りません。
ホテルやレストランなどのホスピタリティ業界では、料理や飲み物を提供するサービスや、その運営に関わる部門をまとめてF&Bと呼ぶことがあります。
たとえばホテルで「F&B部門」と書かれていれば、一般的には館内のレストランやバー、宴会など、飲食サービスに関係する部門だと考えるとわかりやすいでしょう。
ホテル業界ではF&B=料飲部門を指すことが多い
日本のホテルでは、F&Bに近い意味で「料飲部門」という名称が使われています。
ホテルには、宿泊客のチェックインなどを担当する宿泊部門、客室を管理する部門、ホテルを販売する営業部門など、さまざまな部門があります。
そのなかで、料理や飲み物の提供に関わるのがF&Bです。
ホテルの部門を簡単に整理すると、次のような位置づけになります。
| ホテルの主な部門 | 担当するサービスの例 |
|---|---|
| 宿泊部門 | フロント、ベル、コンシェルジュなど |
| 客室管理部門 | 客室清掃、客室点検など |
| F&B・料飲部門 | レストラン、バー、宴会、ルームサービスなど |
| 調理部門 | 和食・洋食・中華などの調理、製菓など |
| 営業部門 | 宿泊・宴会などの営業 |
| 管理部門 | 人事、経理、総務など |
ただし、これはあくまで一例です。
ホテルによっては宴会を独立した部門にしたり、F&Bと調理をまとめて管理したりすることもあります。そのため、「F&B=すべてのホテルでまったく同じ組織」というわけではありません。
ホテルのF&Bには何が含まれる?
ホテルのF&Bに含まれる代表的なサービスは、レストラン、バー・ラウンジ、宴会、ルームサービスなどです。
| F&Bの主な領域 | サービス内容 |
|---|---|
| レストラン・カフェ | 朝食、ランチ、ディナーなどの料理・ドリンク提供 |
| バー・ラウンジ | アルコールやソフトドリンクなどの提供 |
| 宴会・バンケット | パーティー、会議、結婚披露宴などでの飲食サービス |
| ルームサービス | 客室への料理・ドリンクの提供 |
大規模なホテルでは、それぞれに専属のスタッフやマネージャーを配置することがあります。
一方、レストランが一つだけのホテルや宿泊に特化したホテルでは、F&Bの担当範囲が限定されていたり、別の仕事と兼務したりする場合もあります。
つまり、「F&B」という言葉だけでは具体的な仕事内容までは判断できません。
F&Bと調理部門は同じ?
F&Bと調理部門の扱いは、ホテルによって異なります。
たとえば、組織上は次のように分けているホテルがあります。
F&B・料飲部門
→ お客様への料理・飲み物の提供、レストランや宴会での接客など
調理部門
→ 料理やデザートの仕込み・調理など
この場合、レストランでは調理部門が料理を作り、F&Bのサービススタッフがお客様へ提供します。
一方で、ホテルによっては調理部門も含めた飲食事業全体を広い意味でF&Bとして管理することがあります。
そのため、「F&Bには調理スタッフも含まれるのか」という疑問に、一律の答えがあるわけではありません。
ホテルの組織や求人を見る際には、F&Bという名称だけでなく、そのホテルがどこまでをF&Bとしているのか確認することが大切です。
F&Bスタッフとは?
ホテルの求人では「F&Bスタッフ」「F&Bサービススタッフ」といった職種名が使われることがあります。
一般的には、ホテル内のレストランやバー、ラウンジ、宴会場などで飲食サービスを担当するスタッフを指します。
たとえば、
- お客様の案内
- 注文の受付
- 料理やドリンクの提供
- テーブルセッティング
- 営業前後の準備・片付け
などが仕事として挙げられます。
ただし、「F&Bスタッフ」という同じ職種名でも、レストランだけを担当する求人もあれば、朝食・宴会・ラウンジなど複数のサービスを担当する求人もあります。
実際の仕事内容を知りたい場合は、職種名だけで判断せず、求人票の「配属先」「仕事内容」「勤務時間」まで確認しましょう。
ホテルの料飲部門で働く職種や詳しい仕事内容については、「ホテルの料飲部門とは?仕事内容・主な職種・向いている人をわかりやすく解説」で詳しく紹介しています。
F&Bマネージャーとは?
F&Bマネージャーは、ホテルのF&B領域を管理するポジションです。
ただし、担当範囲はホテルの規模や組織によって異なります。
一つのレストランを管理するマネージャーとは別に、複数のレストランやバー、宴会などをまとめて管理するF&Bマネージャーを置いているホテルもあります。
さらに規模の大きなホテルでは、「Director of Food & Beverage(F&Bディレクター)」など、F&B部門全体を統括する役職が設けられている場合もあります。
一般スタッフよりも、店舗や部門の運営、スタッフ管理、サービス品質などを管理する役割が大きくなるポジションです。
F&Bはホテル以外でも使われる
F&Bという言葉はホテルだけで使われているわけではありません。
レストランやカフェ、ケータリング、イベント施設など、食品や飲料を提供する事業でも使われます。
また、「F&B industry」「F&B business」のように、食品・飲料に関係する業界や事業を広く指す表現として使われることもあります。
そのため、F&Bの意味は使われている場面によって少し変わります。
ホテルの求人で見かけた場合には「ホテル内の飲食サービス」、業界についての記事で見かけた場合には「食品・飲料に関係する事業や業界」というように、前後の文脈から判断するとよいでしょう。
F&B・FB・FnBに違いはある?
Food & Beverageを表す際には、「F&B」のほかに「FB」や「F&B Department」などの表記を見かけることがあります。
海外のWebサイトなどでは「F&B」、文章や社内表記では「FB」など、表記方法が異なるケースもあります。
ただし、ホテルの求人や組織について書かれている場合、Food & Beverageを意味しているのであれば、基本的には同じ飲食サービス領域について話していると考えてよいでしょう。
表記の違いよりも、そのホテルが具体的にどの施設や仕事までF&Bに含めているのかを確認することのほうが重要です。
ホテル求人で「F&B」を見たら担当範囲を確認しよう
ホテルの求人でF&Bという言葉を見かけたら、まず「飲食サービスに関係する仕事」と考えると理解しやすいでしょう。
ただし、実際の担当範囲はホテルによって異なります。
求人を見るときには、特に次の点を確認してみてください。
- どのレストラン・施設に配属されるのか
- レストラン以外に宴会やラウンジも担当するのか
- 朝食・ランチ・ディナーのどこを担当するのか
- ほかのF&B施設への異動やヘルプがあるのか
- 調理部門とサービス部門が分かれているのか
同じ「F&Bスタッフ」という求人でも、ホテルによって仕事内容や働き方は大きく変わります。
特に転職先として検討している場合は、「F&B」という名称だけではなく、実際にどのようなサービスを担当する仕事なのかまで確認しておきましょう。
F&Bについて解説しました
F&Bとは「Food & Beverage」の略で、食べ物と飲み物を意味する言葉です。
ホテル業界では、主にレストラン、バー・ラウンジ、宴会、ルームサービスなど、館内の飲食サービスに関わる領域を指し、日本語では「料飲部門」と呼ばれることもあります。
ただし、F&Bに含まれる仕事や組織の範囲はホテルによって異なります。調理部門を別にしているホテルもあれば、飲食に関わる部門全体をF&Bとして管理しているホテルもあります。
ホテルの求人で「F&Bスタッフ」「F&Bマネージャー」などの言葉を見かけたら、名称だけで判断せず、配属先や担当する施設、具体的な仕事内容まで確認することが大切です。

