エステティシャンは、施術による体力的な負担や販売目標、接客での気疲れなどから、きついと感じることがある仕事です。
ただし、負担の大きさは仕事内容や職場によって異なるため、「エステティシャンだから必ずきつい」とは限りません。
今の仕事がつらい人も、これからエステティシャンを目指す人も、まずはどのような点に負担を感じやすい仕事なのかを知っておくと、自分に合っているかを判断しやすくなります。
この記事では、エステティシャンがきついといわれる6つの理由や仕事のやりがい、向いている人の特徴を紹介します。きついと感じたときの対処法や、転職を考える際のポイントもあわせて見ていきましょう。
エステティシャンがきついと感じる6つの理由
エステティシャンは、施術だけでなく、お客様へのカウンセリングや商品の販売、予約管理なども担当します。そのため、体力だけでなく、接客や販売、働き方など、さまざまな面で負担を感じることがあります。
表:【エステティシャンがきついと感じる6つの理由】
| 理由 | 主な負担 |
| 体力を使う | 立ち仕事や施術が続き、身体が疲れやすい |
| 販売目標がある | 商品の販売数や売上の目標がプレッシャーになる |
| 接客で気を遣う | お客様への対応やクレーム対応で気疲れする |
| 人間関係に悩む | スタッフ同士の関係が働きやすさに影響する |
| 勤務時間や休日が合わない | シフトや休日が自分の生活と合わないことがある |
| 給料に不満を感じる | 仕事の忙しさや負担に対して給料が低いと感じることがある |
実際には、一つだけでなく、いくつかの負担が重なって「きつい」と感じることもあります。それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
①施術や立ち仕事で体力を使う
エステティシャンは立って施術する時間が長く、手や腕もよく使います。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」でも、ほとんどが立ち仕事で、体力が必要な仕事とされています。
同じ姿勢で施術を続けたり、1日に何人ものお客様を担当したりすると、身体に疲れがたまりやすくなります。特に仕事に慣れないうちは、体力面できついと感じることがあるでしょう。
②ノルマや販売目標にプレッシャーを感じる
エステティシャンは、施術だけでなく、化粧品や関連商品を販売することもあります。職場によっては、売上や商品の販売数などに目標が設けられていることがあります。
目標を達成しなければならないという意識が強くなると、施術や接客とは別のプレッシャーを感じることがあります。
ただし、すべてのサロンに個人のノルマがあるわけではなく、目標の決め方や評価方法は職場によって異なります。
③接客やクレーム対応で気を遣う
エステティシャンは、お客様の悩みや希望を聞き取り、施術内容をわかりやすく説明する必要があります。施術中もお客様と接する時間が長いため、相手の様子に気を配りながら対応することが大切です。
ときには、施術への不満や厳しい意見を受けることもあります。人と接することが好きな人でも、こうした対応が続くと気疲れすることがあるでしょう。
④少人数の職場では人間関係に悩むことがある
小規模なサロンでは、少人数で長時間一緒に働くことがあります。そのため、スタッフ同士の相性や職場の雰囲気は、働きやすさに直結する要素です。
人間関係が良ければ働きやすい一方、合わない人がいても距離を取りにくいことがあります。ただし、職場の人間関係はサロンごとに異なるため、エステ業界全体の問題とは限りません。
⑤勤務時間や休日が生活と合わないことがある
エステサロンでは、予約に合わせてシフトを組む職場も多く、勤務時間や休日はサロンによって異なります。お客様が来店しやすい土日や夕方以降に働くことも少なくありません。
そのため、土日に休みたい人や、決まった時間に働きたい人にとっては、生活との両立が難しいと感じる場合があります。
⑥仕事内容と給料が見合わないと感じることがある
エステティシャンは、施術のほかにも接客や販売、予約管理など、さまざまな仕事を担当します。忙しさや仕事の多さに対して収入が低いと感じることも、きつさの一因です。
給料は基本給だけでなく、歩合給や各種手当などによっても変わります。仕事内容と収入のバランスに納得できるかどうかも、働き続けるうえで重要なポイントです。
きついだけではないエステティシャンのやりがい
エステティシャンは大変なこともありますが、仕事を続けるなかでやりがいを感じられることもあります。
お客様の喜ぶ姿を近くで見られる
施術を終えたお客様の表情が明るくなったり、「ありがとう」と直接言ってもらえたりすることは、エステティシャンのやりがいの一つです。
自分の施術や接客に対する反応をその場で感じられるため、人に喜んでもらうことが仕事の励みになります。
美容の知識や施術の技術を身につけられる
日本エステティック協会によると、エステティシャンには皮膚や身体、化粧品、美容機器などに関する幅広い知識が求められます。
仕事を続けながら美容の知識を深め、施術の技術を磨いていけることも、この仕事の魅力です。
エステティシャンに向いている人の特徴
エステティシャンに向いているかは、性格だけでなく、仕事内容と自分の得意なことが合っているかという観点から考えてみましょう。
人の話を聞いて相手に合った提案ができる人
エステティシャンは、お客様の希望や悩みを聞き、その人に合った施術や商品を提案する仕事です。
人の話を丁寧に聞き、相手が求めていることを考えながらわかりやすく説明できる人は、エステティシャンに向いています。
こうした力は、もともとの性格だけで決まるものではありません。接客やカウンセリングの経験を重ねながら身につけていくこともできます。
美容の知識や技術を学び続けられる人
エステティシャンは、美容について幅広く学びながら、施術の技術も磨いていく仕事です。美容に興味があり、新しい知識や技術を学ぶことを楽しめる人は、仕事を続けながら成長しやすいでしょう。
エステティシャンがきついと感じたときの対処法
仕事がきついと感じたら、まず何が負担になっているのかを整理し、今の職場で改善できるか考えてみましょう。改善が難しい場合は、職場を変えることも選択肢になります。
負担の原因と譲れない条件を整理する
まずは、今の仕事で何が一番つらいのかを整理してみましょう。そのうえで、「この条件が変われば続けられること」と「どうしても譲れないこと」を分けて考えます。
こうして整理すると、エステティシャンの仕事そのものが合わないのか、今の職場や働き方が合っていないのかを判断しやすくなります。
職場で改善できなければ働く場所を変える
負担の原因が今の職場にある場合は、担当する仕事や目標、シフトなどを変更できないか相談してみましょう。
相談しても改善が難しい場合は、別のサロンへ転職するほか、これまでの経験を生かせる別の仕事を探すことも選択肢です。今の職場を辞めることと、エステティシャンという仕事を辞めることは分けて考えましょう。
心身に不調があるときは休養や専門窓口への相談を優先する
心身に不調が出ている場合は、仕事を続けるかどうかを考える前に休養を取り、必要に応じて医療機関や専門窓口へ相談しましょう。
厚生労働省の「こころの耳」では、働く人やその家族から、仕事や人間関係、心の不調などに関する相談を受け付けています。一人で無理をして乗り切ろうとせず、心身の安全を優先してください。
関連記事:接客業で病むのは甘えじゃない!効率的な休み方と限界前に環境を変える方法
エステティシャン経験を生かせるホテルの仕事
エステティシャンから別の仕事への転職を考えるなら、ホテルも選択肢の一つです。これまでの接客経験は、ホテルのスパやフロントでも生かせます。
エステティシャンの経験とホテルの仕事との共通点を見てみましょう。
表:【エステティシャンの経験を生かせるホテルの仕事】
| エステティシャンでの経験 | ホテルで生かせる仕事の例 |
| お客様の希望や悩みを聞く | スパやフロントでの要望・相談への対応 |
| サービスや商品を説明・提案する | スパサービスや商品の案内、ホテルの館内案内 |
| 予約や会計に対応する | スパやフロントでの予約受付・精算 |
| 衛生管理や備品管理をする | スパ施設の清掃・点検、備品の管理 |
| お客様の様子に合わせて対応する | スパやフロントでの接客、お客様への気配り |
ただし、ホテルの仕事によって求められる経験や担当する業務は異なるため、自分の強みをどの仕事で生かせるかを考えることがポイントです。
ホテルのスパでは美容・施術の経験を生かしやすい
ホテルのスパでは、施術のほか、受付や予約対応、商品の案内・販売、会計などを担当することがあります。エステティシャンとして身につけた美容や施術の知識、お客様への接し方などを生かしやすい仕事です。
ただし、仕事内容はホテルやスパによって異なり、施術を担当する場合は資格や実務経験が求められることもあります。
ホテルフロントでは接客やカウンセリングの経験を生かせる
ホテルフロントでは、宿泊手続きや館内案内、予約、問い合わせなど、お客様と直接やり取りする仕事を担当します。
お客様の希望を聞き取り、相手に合わせてわかりやすく説明してきた経験は、ホテルでの接客にも生かせる強みです。
一方、宿泊に関する手続きなどの業務を覚えたり、館内の知識を身につけたりする必要があります。ホテルによっては夜勤があったり、語学力を求められたりすることもあります。
経験は「できること」に分けて考える
転職するときは、「エステティシャンとして働いていた」という職歴だけでなく、仕事を通じて何ができるようになったのかを整理してみましょう。
たとえば、お客様の話を聞く、希望に合った提案をする、わかりやすく説明する、予約や販売に対応するといったことです。
経験や身につけた力、今後の働き方などを整理できる厚生労働省の「ジョブ・カード」を活用する方法もあります。
自分のできることを整理すると、エステティシャンとしての経験を生かせるホテルの仕事を探しやすくなります。
転職先は仕事内容と働く条件を比べて選ぶ
転職先を選ぶときは、職種名やイメージだけで決めず、実際の仕事内容や給料、勤務時間などを比べることが大切です。あわせて、面接で確認したいことも整理しておきましょう。
求人を比べるときに確認したいポイントは、次のとおりです。
表:【転職先を選ぶときに確認したいポイント】
| 確認すること | 求人票で見ること | 求人票だけではわかりにくいこと |
| 仕事内容 | 担当する仕事、仕事内容が変わる可能性 | 実際に担当する仕事やその割合 |
| 給料・評価 | 基本給、歩合給、手当 | 目標の決め方や評価の方法 |
| 勤務時間・休日 | 勤務時間、休憩、休日 | 希望休の取りやすさ、忙しい時期のシフト |
| 人数・研修 | 試用期間、研修についての記載 | 配属先の人数、研修の内容や期間 |
求人票に書かれていないことは、面接などで確認しておきましょう。また、労働契約を結ぶ際に書面などで明示される労働条件についても、仕事内容や給料、勤務時間などを確認することが重要です。
特に異業種へ転職する場合は、求人票を読んだだけでは、これまでの経験をどこまで生かせるのか判断しにくいこともあります。
求人票は自分が譲れない条件から確認する
求人票を見るときは、すべての項目を同じように比べるのではなく、自分が譲れない条件から確認しましょう。たとえば、給料を重視するなら基本給や手当、休日を重視するなら勤務時間や休日の日数を比べます。
希望に合わない求人を早めに候補から外すことで、自分に合いそうな転職先を絞り込みやすくなります。
求人票でわからないことは面接で確認する
実際に担当する仕事や配属先の人数、研修の内容など、気になることがあれば面接で具体的に質問しておきましょう。
特に、求人票から想像した働き方と実際の働き方に違いがないかを確認しておくと、入社後の思い違いを減らせます。
同業と異業種は希望条件と生かせる経験で比べる
転職先を考えるときは、別のサロンへ移れば今の負担を減らせるのか、それともホテルなど別の仕事へ移るほうが自分の希望に合うのかを比べてみましょう。
その際は、給料や休日などの希望だけでなく、これまでの接客や提案などの経験を生かせるかも判断のポイントになります。自分が何を優先したいのかを決めておくと、転職先を選びやすくなります。
宿泊業に詳しい転職エージェントへ相談する
ホテルへの転職に興味があっても、自分のエステ経験をどの仕事で生かせるのか、どの求人が希望に合っているのかを一人で判断するのは簡単ではありません。
そんなときは、宿泊業に詳しい転職エージェントへ相談するのがおすすめです。
ホテルの求人票だけでは、業務の具体的な範囲や担当割合、配属先の人数、研修の内容などまではわからないことがあります。また、ホテルのスパやフロントなど、職種によって求められる経験や働き方も異なります。
宿泊業に詳しい転職エージェントに相談すれば、これまでの経験を整理しながら、自分の強みを生かせる仕事や希望に合った求人を比較できます。
エステティシャンとしての経験を生かしながら新しい仕事に挑戦したい人は、まずは宿泊業に詳しい転職エージェントへ相談してみましょう。
よくある質問
エステティシャンは何年目がきついですか?
一律に「何年目がきつい」と決まっているわけではありません。経験が浅いうちは、施術の技術だけでなく、接客や商品の説明、仕事の流れなども覚える必要があり、負担を感じることがあります。経験を積んだ後も、役職や担当する仕事が変われば、別の大変さを感じることがあります。
ノルマがないエステサロンはありますか?
個人ノルマを設けていないエステサロンもあります。ただし、「ノルマなし」と書かれていても、店舗全体の売上目標や商品の販売目標などが設定されていることがあります。こうした目標は歩合給や評価に関係することもあるため、どのような目標があるのか確認しておきましょう。
エステティシャンを辞めたいときは、どんな転職先がありますか?
美容業界だけでなく、接客や提案の経験を生かせる仕事も転職先の候補になります。美容部員や受付、販売職などのほか、ホテルのスパやフロントも選択肢の一つです。仕事内容だけでなく、休日や給料など自分が重視する条件も比べて選びましょう。
エステティシャンは長く続けられる仕事ですか?
自分に合った働き方や職場を選べれば、経験を重ねながら続けていくことができます。経験を積んだ後は、施術を続けるほか、サロン経営者や講師・インストラクターなどを目指す道もあります。将来どのように働きたいかを考えながら、経験を積んでいきましょう。
まとめ
エステティシャンの仕事がきついからといって、すぐに「自分には向いていない」と決める必要はありません。
今の職場を変えるだけで働きやすくなることもあれば、これまでの経験を生かして別の仕事へ進む道もあります。
大切なのは、我慢して働き続けることではなく、自分が無理なく続けられる働き方を選ぶことです。接客や提案など、エステティシャンとして身につけた力は、ホテルのスパやフロントなど、さまざまな仕事で生かせます。
ホテルへの転職が少しでも気になるなら、宿泊業に詳しい転職エージェントに希望を伝え、自分の経験を生かせる求人を探してみましょう。

