ワインソムリエの資格は、認定団体によって受験資格や取得方法が異なります。本記事では、代表的な資格の違いや受験条件、費用、合格率、勉強法を整理し、自分に合った資格取得ルートの選び方を解説します。
ワインソムリエの資格は3つのルートから選ぶ
本記事では、ワインに関する主な資格の選択肢として、J.S.A.ソムリエ、J.S.A.ワインエキスパート、SSIのワインコーディネーター/ソムリエの3つを取り上げます。それぞれ対象となる人も取得の進め方も違うため、最初にどれを目指すかを決めましょう。
- ソムリエ|実務経験を持つ人が対象の資格
- ワインエキスパート|経験を問わず受けられる資格
- ワインコーディネーター/ソムリエ|講座で学びながら取る資格
それぞれの特徴を順に見ていきましょう。
① ソムリエ|実務経験を持つ人が対象の資格
ソムリエは、一般社団法人日本ソムリエ協会が認定する呼称資格です。対象は、飲食サービスや酒類販売のほか、酒類・飲料の仕入れ、流通、製造、教育、コンサルティングなど、協会が定めるソムリエの職務に従事する人で、受験には一定の実務経験が必要です。
最終合格した人には、認定証と資格認定カード、認定バッジが交付されます。これらは協会から貸与されるもので、第三者への譲渡や転売は認められていません。
試験は一次から三次まで続き、最後に書類審査が控えています。知識だけでなく、テイスティングとサービス実技まで問われる点が大きな特徴です。
| 項目 | 内容 |
| 実施団体 | 一般社団法人日本ソムリエ協会 |
| 受験資格 | ソムリエの職務が本職で、全収入の60%以上を同職務から得ており、実働月90時間以上・通算3年以上従事し、基準日時点でも同条件を満たしていること(会員歴2年以上の正会員・賛助会員は通算2年以上) |
| 取得の流れ | 一次(CBT)→二次(テイスティング)→三次(論述※二次試験日に実施・サービス実技)→書類審査 |
| 費用の目安 | 受験料23,700円から37,800円、認定登録料20,950円 |
2026年度の基準日は8月31日で、この日時点の経験年数や勤務状況が確認されます。募集要項は年度ごとに更新されるため、出願前に最新版を読んでおきましょう。
実務経験の要件は細かく定められており、自分が満たしているか迷う人も少なくありません。勤務先などによる職務経歴の証明が必要になる点は、J.S.A.ワインエキスパートやSSIのワインコーディネーター/ソムリエとの大きな違いです。
参考:試験案内: J.S.A.ソムリエ|一般社団法人日本ソムリエ協会
② ワインエキスパート|経験を問わず受けられる資格
ワインエキスパートは、職業を問わず受験できる日本ソムリエ協会の呼称資格です。基準日に満20歳以上であれば、資格や職務経歴は問われません。
協会はこの呼称を、酒類や飲料、食全般の専門的な知識とテイスティング能力を持つ人と定義しています。プロフェッショナルな資格ではなく、愛好家が主な対象だと明記されています。
試験は一次と二次の2段階で、サービス実技は課されません。ソムリエ職に就いていて経験年数に届かない人も、こちらなら受験できます。
| 項目 | 内容 |
| 実施団体 | 一般社団法人日本ソムリエ協会 |
| 受験資格 | 基準日に満20歳以上、職務経歴は不問 |
| 取得の流れ | 一次(CBT)→二次(テイスティング) |
| 費用の目安 | 受験料23,700円から37,800円、認定登録料20,950円 |
2025年の合格者は944名で、累計の有資格者は24,872名にのぼりました。2025年の受験者数は3,577名でした。職種や実務経験を問わず受験できるため、ワインを仕事にしていない人にも門戸が開かれています。
過去5年以内にワインエキスパートへ合格していれば、ソムリエ受験時に一次試験が免除されます。将来ソムリエを目指す人にとって、先に取っておく価値は小さくありません。
参考:試験案内: J.S.A.ワインエキスパート|一般社団法人日本ソムリエ協会
③ ワインコーディネーター/ソムリエ|講座で学びながら取る資格
ワインコーディネーター/ソムリエは、日本酒サービス研究会(SSI)が認定する資格です。申し込み時に満20歳以上であれば、実務経験は問われません。
日本酒サービス研究会(SSI)では、ワインコーディネーター/ソムリエのほか、入門者向けのワインナビゲーターなども認定しています。
申し込みの際は「ワインコーディネーター」または「ソムリエ」のどちらかの資格名を選択できます。
| 項目 | 内容 |
| 実施団体 | 日本酒サービス研究会(SSI) |
| 受験資格 | 申し込み時に満20歳以上、実務経験は不問 |
| 取得の流れ | コース受講→課題提出または第1次から第5次までの試験 |
| 費用の目安 | eラーニングコースは受講料88,000円と認定料25,300円ほか |
認定を受けるにはSSI認定会員への入会が必要で、認定料と入会金、年会費もかかります。受講料だけで判断すると、総額の見通しを誤りかねません。
日本ソムリエ協会のソムリエとは、認定する団体も取得の道筋も違います。同じ呼称でも別の資格として扱われる点は、押さえておきたいところです。
参考:ワインコーディネーター/ソムリエについて|日本酒サービス研究会(SSI)
ソムリエ資格の受験資格と満たすべき条件
日本ソムリエ協会のソムリエには、ほかのワイン資格にはない受験条件が定められています。実務経験と収入割合の2つの条件があり、どちらも満たす必要があります。
- 実務経験は月90時間以上・通算3年以上が条件
- 収入の6割以上をソムリエの職務から得ていること
- 経験年数が足りないときに選べる受け方
条件の中身と、満たせない場合の選択肢を順に確認しましょう。
実務経験は月90時間以上・通算3年以上が条件
一般受験者に求められるのは、実働時間で月90時間以上、通算3年以上の職務経験です。基準日の時点でも、同じ条件で働いていなければなりません。
協会の正会員または賛助会員で会員歴が2年以上あれば、通算2年以上に短縮されます。会員歴が2年に届かない場合は、一般の条件が適用されるので気をつけましょう。
ソムリエの職務として認められる業務は、募集要項で次のように定められています。
- 酒類・飲料を提供する飲食サービス
- 酒類・飲料の管理・仕入れ、輸出入、流通・卸、販売、製造
- 酒類・飲料に携わる教育機関の講師
- 酒類・飲料に関するコンサルタント
レストランのホールに限らず、酒販店や飲料メーカー、料理教室の講師なども含まれます。自分の職務が当てはまるか迷う場合は、募集要項の職種一覧で照らし合わせましょう。
正社員以外の雇用形態でも経験年数に加算できます。ただし従事証明書や給与明細などの追加書類がそろわない職歴は、年数として認められません。
収入の6割以上をソムリエの職務から得ていること
ソムリエ資格の受験条件には、全収入の60%以上をソムリエの職務から得ていることも含まれます。
協会では、過去の経歴を含めた全期間にわたり、ソムリエの職務を本職としていることを求めています。この条件からも、趣味ではなく、職業として従事する人を対象とした資格であることが分かるでしょう。
証明方法は、雇用形態によって異なります。契約社員や派遣、パート・アルバイトの職歴を加算する場合は、原則として従事証明書または給与明細1か月分が必要です。掛け持ち勤務や学生期間中の従事、扶養控除内での従事については、両方を提出します。事業主の場合は、営業許可証や酒類販売免許など、職種に応じた書類を用意します。
専従者は、従事証明書に加えて、青色申告決算書または白色収支内訳書の写しが必要です。いずれも勤務先の実印による証明が前提となるため、早めに準備しておくことが欠かせません。
経験年数が足りないときに選べる受け方
実務経験年数が足りない人には、ワインエキスパートを先に取得するか、SSIのワインコーディネーター/ソムリエを目指すという2つの選択肢があります。
詳しくは「ソムリエになるには」の記事をご確認ください。
ソムリエ資格を取るまでの5ステップ
ソムリエ資格の取得は、出願から認定登録まで5つの段階を踏みます。2026年度の日程を例に、それぞれの時期と内容を整理しました。
- 出願と受験料の支払いを済ませる
- 一次試験をCBT方式で受ける
- 二次試験でテイスティング、同日に三次の論述に臨む
- 三次試験のサービス実技と書類審査を通過する
- 認定登録を済ませて認定証を受け取る
最初の出願からたどっていきましょう。
① 出願と受験料の支払いを済ませる
まずは出願手続きを行います。2026年度は3月2日に受付が始まり、7月10日の17時59分で締め切られました。
出願の際に、一次試験を1回受けるか2回受けるかを選びます。あとから回数を変更できないため、慎重に決めましょう。
支払い方法はクレジットカードまたはコンビニ払いでしたが、2026年7月8日以降はコンビニ払いを選択できませんでした。期限を過ぎると出願そのものが取り消され、最初からやり直す必要があります。
入金が確認されると、2週間前後で日本ソムリエ協会教本が届きます。教本代は受験料に含まれるため、別途の購入は不要です。
② 一次試験をCBT方式で受ける
一次試験はCBT方式で、パソコンの画面上で解答します。2026年度は7月15日から8月26日まで実施されています。
試験時間は70分、出題数は120問です。出題範囲はその年度の協会教本に記載された事項に限られます。
会場は全国47都道府県に約340か所設けられています。受験希望日の3日前までに、自分で日時と会場を予約しなければなりません。
合否は試験の終了直後に画面上へ表示されます。結果を記した一次試験合否証明書は、必ず会場で受け取ってから帰りましょう。
③ 二次試験でテイスティング、同日に三次の論述に臨む
二次試験はテイスティングで、2026年度は9月28日に実施されます。銘柄を伏せたワインを分析し、その特徴を回答する形式です。
ソムリエ呼称では、同じ日に三次試験の論述試験も行われます。予定時間は、テイスティングが40分、論述が20分です。
持ち物は、各自で印刷した受験票と筆記用具のみです。筆記用具や備品の貸し出しは行われないため、忘れ物に注意しましょう。
当日は、職務経歴書や従事証明書などの提出書類一式も配布されます。勤務先の押印に時間がかかる場合があるため、早めに準備を始めておくと安心です。
④ 三次試験のサービス実技と書類審査を通過する
三次試験はサービス実技で、2026年度は11月9日に実施されます。課題はワインの開栓とデカンタージュです。
作業はトレーの内寸のなかで完結させるという条件が付きます。当日はユニフォームとリトー、ソムリエナイフを忘れずに持参しましょう。
二次試験の通過者は、10月9日から10月20日必着で書類を提出します。職務経歴書には、基準日に在籍していた勤務先の実印による証明が必要です。
実技を通過しても、書類審査を経なければ最終合格になりません。期限内に提出できないと免除の権利まで失効するため、準備は最優先で進めましょう。
⑤ 認定登録を済ませて認定証を受け取る
最終合格の発表は、協会のマイページ上で確認します。結果が郵送されることはありません。
合格後は認定登録の手続きを行い、認定登録料20,950円を納めます。この手続きを経ないかぎり、認定者として登録されません。
登録を済ませると、認定証と資格認定カード、認定バッジが送られてきます。ソムリエ呼称の場合、発送は12月の予定です。
これらは協会から貸与されるもので、所有権は協会にあります。第三者への貸与や譲渡、転売は固く禁じられています。
講座で取得するルートの進め方
日本酒サービス研究会(SSI)の資格は、学びながら取得する仕組みです。講座の受講を前提としない日本ソムリエ協会の資格とは、取得までの進め方が異なります。
- 4つの受講コースから学び方を選ぶ
- 第1次から第5次までの試験を受ける
- 合格後は認定手続きと入会が必要になる
コース選びから順にたどります。
4つの受講コースから学び方を選ぶ
用意されているのは、eラーニング、通信、2日間集中、オンデマンド受講の4コースです。生活スタイルに合わせて受講方法を選べる点が特徴です。
eラーニングコースなら、申し込みから資格取得までをオンラインで完結できます。最短1か月半で合格を目指せるプログラムが用意されています。
教材も自宅に届くため、通学の時間を作りにくい人にも向いています。受講期限は申込日の翌月から1年以内で、延長は認められません。
2日間集中コースは、事前学習を経て2日間で講習と受験をまとめて行います。短期間で資格取得を目指したい人に向く形式です。
参考:ワインコーディネーター/ソムリエ 資格取得 eラーニングコース|日本酒サービス研究会(SSI)
第1次から第5次までの試験を受ける
オンデマンド受講コースと2日間集中コースでは、第1次から第5次までの試験を受けます。各試験は、受講コースごとの日程に沿って実施されます。
第1次試験は50分のマークシート方式で、もてなしの心や飲料全般の基礎知識が出題範囲です。所定のSSI認定会員と、合格後3年以内の料飲サービス検定合格者は、第1次試験が免除されます。ただし、日本酒ライフスペシャリストやSSI International認定資格のみを保有する認定会員など、一部は免除の対象外です。
第2次試験も50分のマークシート方式で、ワインの原料や製法、ワイン法、各国の特徴などが問われます。第3次試験は、50分のテイスティングを伴う記述式です。
第4次試験ではセールスプロモーションの企画立案、第5次試験では応用知識を問う記述式の問題に取り組みます。第5次試験では資料を参照できますが、持ち込み条件はコースによって異なります。オンデマンド受講コースでは指定教材と自作の紙資料を参照でき、2日間集中コースでは書籍等に加えて、WEB検索を目的とした電子機器の使用も認められています。
合格後は認定手続きと入会が必要になる
試験に合格しただけでは資格は認定されず、SSI認定会員への入会が必要です。
必要な手続きは、認定諸費用の支払いと、翌年度以降の年会費を支払うための口座振替登録です。通信コースの短期集中プログラムと2日間集中コースでは、申し込み時に手続きを済ませておきましょう。
唎酒師(ききさけし)とワインコーディネーター/ソムリエの2資格を取得した人には、2資格バッジが贈られます。日本酒とワインの両方を扱う職場では、この組み合わせが強みになるでしょう。
ワインソムリエ資格の取得にかかる費用
資格取得にかかる費用は、団体によって構成が大きく変わります。受験料だけを見比べると、総額を読み違えかねません。
- 日本ソムリエ協会は受験料と認定登録料が中心
- 日本酒サービス研究会は受講料と認定諸費用が中心
- 教本やスクールなど学習面でかかる費用
それぞれの内訳を金額とあわせて押さえておきましょう。
日本ソムリエ協会は受験料と認定登録料が中心
日本ソムリエ協会の費用は、受験料と認定登録料の2本立てです。ソムリエとワインエキスパートで金額に差はありません。
受験料は会員か一般か、そして一次試験を何回受けるかで変わります。2026年度の税込金額は次のとおりです。
受験と同時に協会へ入会すると入会金が半額になり、受験料にも会員価格が適用されます。入会年の4月1日時点で27歳以下なら、初年度会費と入会金はかかりません。
| 区分 | 会員 | 一般 |
| 一次試験1回受験 | 23,700円 | 32,900円 |
| 一次試験2回受験 | 28,600円 | 37,800円 |
| 二次試験から受験 | 7,300円 | 14,210円 |
| 三次試験から受験 | 3,650円 | 7,100円 |
最終合格後には、認定登録料として20,950円を納めます。受験料と合わせると、一般受験者の負担は5万円を下回りません。
一次試験が免除される場合、二次試験からの受験料は一般で14,210円です。試験免除の対象者は、免除制度を必ず利用する決まりです。
日本酒サービス研究会は受講料と認定諸費用が中心
日本酒サービス研究会の費用は、受講料と合格後にかかる諸費用に分かれます。受講料にテキストと教材酒が含まれている点は、日本ソムリエ協会との大きな違いです。
eラーニングコースでは、2026年3月1日から新価格が適用されています。一般受講料は、認定会員価格の2倍に設定されています。
合格後は、認定料に加えて入会金と年会費も必要です。年会費に認定資格の年度登録費が含まれている点も、見落とさないようにしましょう。
| 費目 | 一般 | 認定会員 |
| 受講料(eラーニングコース) | 88,000円 | 44,000円 |
| 認定料 | 25,300円 | 13,200円 |
| 入会金 | 19,800円 | 入会済みのため不要 |
| 年会費 | 15,400円 | 入会済みのため不要 |
一般の人がeラーニングコースで取得すると、初年度の総額は148,500円ほどになります。日本ソムリエ協会と比べると、費用の水準は高めです。
そのぶん教材と講座が費用に含まれており、学習のための追加出費は抑えられます。SSIは受講料に教材や講座費用が含まれるため、J.S.A.とは費用の構成が異なります。
教本やスクールなど学習面でかかる費用
受験料や認定料に加えて、学習にかかる費用も見込んでおきましょう。日本ソムリエ協会の教本は受験料に含まれており、一次試験の受験者へ送付されます。
ただし二次試験から受ける人や免除の対象者には配布されず、公式のオンラインショップで購入します。教本を手元に置いておきたい人は、その分の予算を確保しておきましょう。
テイスティングの練習には、実際のワインを用意しなければなりません。品種ごとの傾向をつかむには、ある程度の本数を開けることになります。
ワインスクールに通うなら、別途で受講料が必要です。金額は講座の回数や形式によって幅があるため、いくつかの学校を見比べて選びましょう。
合格率から見る試験の難易度
ワインソムリエの試験は、年度によって合格率が大きく変動します。直近の数字だけで判断すると、実際の難しさを読み違えかねません。
- ソムリエとワインエキスパートの合格率の推移
- 二次試験のテイスティングで差がつきやすい
公表されている数字から傾向を読み取っていきましょう。
ソムリエとワインエキスパートの合格率の推移
日本ソムリエ協会は、呼称ごとの受験者数と合格者数、合格率を公表しています。2025年のソムリエの合格率は19.9%でした。
同じ年のワインエキスパートは26.4%です。受験者数はソムリエが2,866名、ワインエキスパートが3,577名でした。
過去5年の推移を見ると、どちらの呼称も合格率は一定していません。ソムリエは2021年の42.1%から、2023年には17.7%まで下がりました。
| 年度 | ソムリエ | ワインエキスパート |
| 2021年 | 42.1% | 40.7% |
| 2022年 | 30.1% | 32.9% |
| 2023年 | 17.7% | 41.9% |
| 2024年 | 29.2% | 41.4% |
| 2025年 | 19.9% | 26.4% |
2025年は両方の呼称とも前年を下回る結果です。どの年度に合格率が高くなるかを、事前に予測することはできません。
数字に一喜一憂するより、どの年度でも通用する準備を積むほうが確実でしょう。2025年の合格者はソムリエが570名、ワインエキスパートが944名でした。
二次試験はテイスティング対策が必要
二次試験ではテイスティングが課されるため、知識問題中心の一次試験とは異なる対策が必要です。
銘柄を伏せたワインから、品種や産地の特徴を読み取って回答します。香りと味わいの表現を、決められた用語のなかから選ぶ形式です。
一次試験は70分で120問に解答するCBT方式です。出題範囲はその年度の協会教本となるため、幅広い範囲を効率よく学習しておく必要があります。二次試験は短期間では仕上げにくく、日々の積み重ねが欠かせません。
二次試験を通過できなかった場合でも、翌年から5年のうち3回まで一次試験が免除されます。一次試験が免除されるため、再挑戦時の負担を軽減できます。
合格に近づくための勉強の進め方
学習の進め方は、一次試験と二次試験で性質が異なります。同じ時期に同じやり方で進めると、どちらも中途半端に終わりかねません。
- 一次試験は教本を軸に出題範囲を押さえる
- 二次試験はテイスティングを日常に組み込む
- 学習スケジュールは受験年度の前年から逆算する
取り組み方をそれぞれ見ていきます。
一次試験は教本を軸に出題範囲を押さえる
一次試験の出題範囲は、その年度の協会教本に記載された内容に限られます。まずは教本を軸に、出題範囲を一通り押さえておきましょう。
産地や品種、醸造方法、ワイン法など、出題内容は多岐にわたります。70分で120問を解くため、迷わず答えられる状態まで仕上げておくことが大切です。
教本は電子版も配布されており、マイページから確認できます。教材の到着から3年間利用できるため、通勤中などの学習にも活用できるでしょう。
一次試験を2回受ける選択をしておけば、1回目の手ごたえを踏まえ、学習方法や苦手分野を見直す余地が生まれます。ただし、受験回数は出願時に決める必要があるため、注意が必要です。
二次試験はテイスティングを日常に組み込む
二次試験の対策は、ワインを口にする習慣づくりから始まります。数日で身につく技術ではないため、早い時期の着手が欠かせません。
主要な品種に絞り、複数のワインを繰り返し飲み比べる方法があります。色調や香りを表す言葉と実際の感覚を、自分のなかで結び付けていく作業です。
協会は国際規格のテイスティンググラスを使用すると案内しています。練習の段階から同じ形のグラスを使えば、本番に近い環境で練習できます。
一次試験の学習と並行して進めるのが理想です。一次を終えてから始めると、9月末の二次試験まで2か月ほどしか残りません。
学習スケジュールは受験年度の前年から逆算する
出願が3月に始まるため、前年の秋から冬に学習を始めるのが一つの目安です。年明けから始めても、間に合う場合があります。
教本が届くのは出願からおよそ2週間後です。それまでは市販の入門書やワイン検定のテキストで、全体像をつかんでおきましょう。
一次試験は7月中旬から8月下旬のあいだで、自分の受験日を選べます。直前の学習時間も確保できるよう、仕事の繁忙期を避けて受験日を予約しましょう。
| 時期 | 取り組む内容 |
| 前年の秋から冬 | 入門書や検定テキストで全体像をつかむ |
| 3月から7月上旬 | 出願を済ませ、教本で一次試験の範囲を固める |
| 7月中旬から8月下旬 | 一次試験を受験しつつテイスティングを続ける |
| 9月 | 二次試験に向けて品種の飲み比べを重ねる |
| 10月から11月 | 書類を提出し、サービス実技の所作を練習する |
二次試験は9月末、三次試験は11月上旬です。夏を越えてからも学習は続くと考えて、計画を立てておきましょう。
三次試験のサービス実技は、動画教材で一連の所作を確認できます。マイページから見られるため、二次試験の結果を待つ間に手を動かしておくと安心です。
関連記事:ソムリエとは?ホテルでの仕事内容・必要な資格・ワインエキスパートとの違いを解説
ワインソムリエ資格の取り方に関するよくある質問
ワインソムリエの資格の取り方について、寄せられることの多い疑問をまとめました。出願の前に迷いやすい点を中心に取り上げました。
ワインソムリエの資格は独学でも取得できますか
独学での取得は可能です。日本ソムリエ協会の試験は、出願後に送付される教本から出題されます。
ただし二次試験のテイスティングは、独力での練習に限界を感じる人もいるようです。不安があれば、テイスティングの講座だけを単発で受ける方法もあるでしょう。
資格取得までにどのくらいの期間が必要ですか
日本ソムリエ協会の場合、出願から最終合格まで半年以上かかります。2026年度は3月に受付が始まり、最終合格の発表は11月以降の予定です。
日本酒サービス研究会のeラーニングコースでは、最短1か月半で合格を目指せるプログラムが用意されています。受講期限は申込日の翌月から1年以内です。
一次試験に通過できなかった場合は翌年も一から受け直しですか
一次試験に不合格の場合は、翌年も一次試験から受験します。二次試験で不合格となった場合は一次試験、三次試験で不合格となった場合は二次試験が、それぞれ翌年以降5年間で3回まで免除されます。
免除の権利がある人は、忘れずに行使しましょう。免除対象者には教本が配布されないため、必要な場合は別途購入する必要があります。
資格に有効期限や更新の手続きはありますか
日本ソムリエ協会の資格認定カードには有効期限がなく、通常の更新手続きも必要ありません。ただし、規約違反などにより呼称資格剥奪等の処分が行われる場合があります。
日本酒サービス研究会の資格は、SSI認定会員であることが前提です。年会費の支払いが必要なため、J.S.A.の呼称資格とは制度が異なります。
ワイン検定に合格すると受験で有利になりますか
J.S.A.ワイン検定のシルバークラスに合格すると、受験料の面で優遇を受けられます。呼称資格認定試験を一次から受ける際、会員価格が適用されるためです。
合格者には認証コードが通知され、出願の際に入力します。試験そのものが免除されるわけではありません。基礎を段階的に固めたい人には、入口として使いやすい検定になっています。
ワインソムリエの資格は手順を押さえれば着実に取得できる
ワインソムリエの資格の取り方は、どの団体を選ぶかで道筋が分かれます。必要な実務経験を満たしているなら、日本ソムリエ協会のソムリエを目指せます。
経験を問わずに学びたい人に向くのは、ワインエキスパートやSSIの資格です。いずれも満20歳以上であれば職務経歴を問われないため、挑戦しやすい資格です。
費用は受験料と認定登録料、あるいは受講料と認定諸費用という形で発生します。J.S.A.は出願から最終合格まで半年以上かかり、SSIはコースによって最短約1か月半での取得も可能です。
合格率は年度によって変動しますが、教本を使った知識の習得と継続的なテイスティング対策が重要です。必要な条件と試験内容を確認し、計画的に準備を進めましょう。

