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グリーンツーリズムとエコツーリズムの違いとは?共通点や代表的な事例をわかりやすく解説

三朝温泉の露天風呂

グリーンツーリズムとエコツーリズムは、どちらも自然や地域資源を活用している点が魅力です。一方、グリーンツーリズムは農山漁村での交流や暮らしの体験を重視し、エコツーリズムは自然環境の保全や学びを重視する点が異なります。

この記事では、グリーンツーリズムとエコツーリズムの違いを比較表でわかりやすく解説するとともに、それぞれの共通点や代表的な事例も紹介します。

目次

グリーンツーリズムとエコツーリズムの違い【比較表】

グリーンツーリズムとエコツーリズムは、どちらも自然や地域資源を活用した観光です。ただし、目的や体験内容には違いがあります。まずは比較表で確認してみましょう。

項目グリーンツーリズムエコツーリズム
主な関係省庁農林水産省環境省
主な目的農山漁村との交流・地域活性化自然環境の保全・環境教育
主な対象農山漁村の暮らし・文化、農林漁業体験自然生態系・野生生物
代表例農家民宿、農業体験、漁業体験自然観察、トレッキング、エコツアー

グリーンツーリズムは地域との交流を重視し、エコツーリズムは自然環境の保全や学びを重視する点が大きな違いです。

グリーンツーリズムとは

グリーンツーリズムとは、農山漁村地域で自然や文化、人々との交流を楽しむ観光形態です。

農林水産省では「農山漁村地域において自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動」と定義しています。地域住民との交流や農山漁村の活性化を目的としている点が特徴です。

エコツーリズムとは

一方、エコツーリズムとは、自然環境や地域の歴史・文化を体験しながら学び、その保全につなげる観光形態です。

環境省では、自然環境の保全と観光の両立を目指す取り組みとして推進しています。自然への理解を深め、保全意識を高めることを重視している点が特徴です。

サステナブルツーリズムとの関係

サステナブルツーリズムとは、環境・社会・経済への影響に配慮しながら、地域の魅力を将来にわたって守り続ける観光の考え方です。

グリーンツーリズムやエコツーリズムは、地域資源を守りながら活用する点で、サステナブルツーリズムと親和性の高い観光形態です。

サステナブルツーリズムが観光全体の方向性を示す広い概念であるのに対し、グリーンツーリズムやエコツーリズムは、その考え方を具体的な体験や活動として実践する取り組みといえます。

※出典:東京農政局「グリーンツーリズム」

 環境省「エコツーリズムのススメ」

グリーンツーリズムとエコツーリズムの共通点

グリーンツーリズムとエコツーリズムは目的や体験内容に違いがあります。一方、地域資源を活用しながら持続可能な観光を目指す点は共通です。

ここでは、両者に共通する特徴を3つ紹介します。

地域資源を活用した観光である

グリーンツーリズムとエコツーリズムは、どちらも地域ならではの自然や文化を活用した観光です。

観光施設やテーマパークを中心とした旅行とは異なり、その地域にしかない景観や伝統文化、人々の暮らしに触れられます。地域の魅力を活かした体験を通じて、地域への理解を深められる点が魅力です。

地域活性化につながる

グリーンツーリズムとエコツーリズムは、地域活性化につながる観光としても注目されています。

観光客が宿泊や体験プログラムを利用することで、地域経済を支える取り組みです。また、地域との継続的な関わりを持つ人が増えることで、交流人口や関係人口の増加にもつながります。

持続可能な観光を目指している

グリーンツーリズムとエコツーリズムは、どちらも持続可能な観光を目指している点で共通しています。

地域の文化や自然環境を守りながら観光を続ける考え方であり、サステナブルツーリズムの一種です。観光による利益を地域へ還元し、将来にわたって地域資源を活用していくことを重視しています。

グリーンツーリズムとエコツーリズムの楽しみ方

グリーンツーリズムとエコツーリズムは、どちらも地域資源を活用した観光ですが、楽しみ方には違いがあります。

ここでは、それぞれの特徴的な楽しみ方と、体験を通じて得られる魅力を紹介します。

グリーンツーリズムは地域の暮らしや交流を楽しむ観光

グリーンツーリズムは、農山漁村に滞在しながら地域の暮らしや文化に触れる観光です。

農業体験や漁業体験、郷土料理づくりを通じて、その土地ならではの生活を体験できます。また、地域住民との交流も大きな魅力のひとつです。

観光施設を巡るだけでは分からない地域の日常や価値観に触れられるため、旅行先をより深く知るきっかけになります。

エコツーリズムは自然を学びながら楽しむ観光

エコツーリズムは、自然環境や地域文化について学びながら楽しむ観光です。

ガイドとともに森林や湿地、海岸を巡り、動植物の生態や地域の歴史・文化について理解を深めます。単に自然を眺めるだけでなく、その価値や保全の重要性を学べる点が特徴です。

また、自然環境への負荷をできるだけ抑えながら観光を楽しむことも重視されており、観光と保全の両立を目指しています。

地域や自然への理解を深めるきっかけになる

グリーンツーリズムとエコツーリズムは、どちらも地域や自然への理解を深めるよい機会です。

地域住民との交流や自然体験を通じて、その土地ならではの魅力や課題を知ることができます。また、地域文化の継承や自然環境の保全について考えるきっかけにもなるでしょう。

旅行を楽しむだけでなく、地域資源の価値や持続可能な観光について学べることも、両者に共通する魅力です。

グリーンツーリズムの代表的な事例

農林水産省「景観資源を活用した農泊地域事例集」で紹介されている農泊地域のうち、グリーンツーリズムの参考になる事例をまとめました。

都道府県地域名主な地域資源・体験内容
北海道仁木町ぶどう畑、ワイナリー
岩手県遠野市ホップ畑、クラフトビール、農家民宿
宮城県大崎市屋敷林「居久根」、湿地生態系、民泊
長野県伊那市自然栽培の棚田、古民家
新潟県長岡市棚田と棚池、錦鯉
石川県輪島市能登の里山里海、茅葺古民家
京都府南丹市茅葺屋根の集落景観、一棟貸し宿
和歌山県那智勝浦町色川の棚田群、農作業体験
熊本県天草市釣り体験、民泊
沖縄県国頭村フクギ並木、やんばるの森、一軒宿

このうち、代表的な3つの事例を紹介します。

岩手県遠野市|農業体験や古民家宿泊で農村文化に触れる

岩手県遠野市は、全国生産量の約6分の1を占めるホップの産地です。

近年はホップを活用したクラフトビールづくりにも力を入れており、「ホップの里からビールの里」を目指した地域づくりが進められています。地域内には農家民宿があり、農業体験や地元食材を使った食事を楽しめるほか、クラフトビールを味わうことも可能です。

サイクリングと組み合わせて農村の魅力を体感できます。

京都府南丹市|かやぶき集落と里山の暮らしを体験する

京都府南丹市美山町には、日本の原風景ともいわれるかやぶき屋根の集落景観が残っています。

現在も住民が暮らしており、観光地として整備された施設ではなく、地域の日常に触れながら滞在できる点が特徴です。一部のかやぶき民家は一棟貸しの宿として活用されており、里山の暮らしを身近に感じながらゆったりとした時間を過ごせます。

和歌山県那智勝浦町|色川の棚田群で農村の暮らしを体験する

和歌山県那智勝浦町の色川地区は、美しい棚田が広がる地域です。

この棚田は地域住民や周辺から集まるボランティアによって維持されており、現在も稲作が続けられています。農泊では農家の離れに宿泊できるほか、農作業体験も可能です。

棚田景観を眺めながら、農村の暮らしや地域との交流を楽しめます。

※出典:農林水産省「景観資源を活用した農泊地域事例集」

エコツーリズムの代表的な事例

環境省のパンフレット「さあ楽しもう!エコツーリズム」で紹介されている地域のうち、主な7地域を表にまとめます。

都道府県地域名主な地域資源・体験内容
群馬県みなかみ町谷川岳、山岳地形、ラフティング
埼玉県飯能市森林、里山、地域ガイドツアー
東京都小笠原村世界自然遺産、ホエールウォッチング、トレッキング
三重県鳥羽市海女文化、離島、シーカヤック
三重県名張市赤目四十八滝、オオサンショウウオ、里山探検
京都府南丹市かやぶきの里、芦生の森、わら細工体験
沖縄県慶良間地域サンゴ礁、ホエールウォッチング、シーカヤック

このうち、代表的な3つの事例を解説します。

東京都小笠原村|世界自然遺産の島で固有の自然を学ぶ

東京都小笠原村は、東京から約1,000km離れた太平洋上に位置する島しょ地域です。

島の誕生以来、一度も大陸とつながったことがない海洋島であるため、独自の進化を遂げた固有の動植物が数多く生息しています。エコツアーでは、世界自然遺産に登録された森でのトレッキングや、クジラ・イルカのウォッチング、シーカヤックが魅力です。

自然環境を守りながら、その価値を学べる代表的なエコツーリズムといえるでしょう。

群馬県みなかみ町|谷川岳の山岳環境を体感する

群馬県みなかみ町では、上信越高原国立公園の谷川岳を中心にエコツーリズムを推進しています。

谷川岳は日本百名山のひとつで、本格的な登山からロープウェイを利用した気軽なトレッキングまで楽しめる山岳地域です。エコツアーでは山岳地形や地質、高山植物、野生動物を観察できるほか、山岳信仰や峠道の歴史について学ぶプログラムも実施されています。

利根川の源流域ならではのラフティングやカヌー体験も魅力です。

沖縄県慶良間地域|サンゴ礁と海洋生物を観察する

沖縄県の慶良間地域(座間味村・渡嘉敷村)は、国立公園に指定された美しい海域で、豊かなサンゴ礁と多様な海洋生物が生息しています。

海域では多くの魚類やサンゴが確認されており、冬には繁殖のためにザトウクジラが訪れることでも有名です。エコツアーではホエールウォッチングやシーカヤック、スキューバダイビング、シュノーケリングを体験でき、海の自然環境を身近に感じながら学べます。

※出典:環境省「さあ楽しもう!エコツーリズム」

H2:グリーンツーリズムとエコツーリズムに関するよくある質問

グリーンツーリズムとエコツーリズムについて調べていると、関連する観光形態との違いや参加方法が気になる人もいるでしょう。ここでは、よくある質問と回答を紹介します。

アグリツーリズムとグリーンツーリズムの違いは?

アグリツーリズムは、農業体験を中心とした観光形態です。一方、グリーンツーリズムは農業だけでなく、林業や漁業、地域文化の体験、地域住民との交流も含む、より広い概念です。

ブルーツーリズムとは?

ブルーツーリズムとは、海や川といった水辺を活用した観光形態です。漁業体験や漁村への滞在、マリンレジャーが代表例として挙げられます。グリーンツーリズムの一種として扱われることもありますが、水辺の資源を活用した体験に重点を置いている点が特徴です。

子どもでも参加できる?

参加できます。農業体験や自然観察、郷土料理づくりといった、子ども向けのプログラムを用意している地域も少なくありません。実際に自然や地域文化に触れながら学べることから、学校の体験学習や修学旅行で活用されるケースもあります。

グリーンツーリズムとエコツーリズムは目的や体験内容に違いがある

グリーンツーリズムとエコツーリズムは、どちらも自然や地域資源を活用した観光形態ですが、目的や体験内容に違いがあります。

グリーンツーリズムは農山漁村での交流や暮らしの体験を重視し、エコツーリズムは自然環境の保全や学びを重視している点が特徴です。一方で、地域資源を活用しながら持続可能な観光を目指す点は共通しています。

農山漁村の文化や地域との交流を楽しみたい人にはグリーンツーリズム、自然観察や環境学習に興味がある人にはエコツーリズムがおすすめです。それぞれの特徴を理解し、自分に合った体験を選んでみてください。

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