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    ホテルのシフト勤務は疲弊しやすい?代表的な種類や不規則生活による悩みを解決する方法を解説

    ホテルのフロントに立つ制服姿の女性スタッフ

    ホテルには、シフト勤務の職種が多くあります。

    そこで、これから初めてホテルのシフト勤務に挑戦する場合、「仕事がきついのでは?」や「不規則な生活に耐えられるだろうか?」といった不安を覚える方がいるかもしれません。また、プライベートを充実させたい場合、「休みが通るのか?」も気になるところでしょう。

    そこでこの記事では、ホテルにおける勤務シフトについて、代表的な4つの種類および職種別の基本パターンを紹介します。後半では、ホテルのシフト勤務で疲弊しないためのコツやポイント、シフトで働くことがきつくて仕方がない場合の対処方法などを紹介しましょう。

    目次

    ホテルのシフト勤務とは?

    シフト勤務とは、働く人を一定の時間で交代させながら、現場を休みなく稼働し続ける勤務体制の総称です。ホテルが宿泊者のために24時間・365日稼働するためには、その対応を行う職種や部門においてシフト勤務を導入する必要があります。

    シフト勤務の特徴は、固定時間制の働き方と比較するとイメージしやすいです。

    固定時間制とは、たとえば「平日の9時から18時、昼休憩は12時からの1時間」のように、働く曜日・始業時間・就業時間・休憩時間があらかじめ決まっている勤務形態です。

    固定時間制の職場では、大半のスタッフが同じ時間に出勤して、残業がなければ一斉に退勤するケースが多いでしょう。また週休も「土日祝」のように、同じタイミングでとるのが一般的です。

    一方でシフト勤務は、ホテルを24時間・365日稼働させるために、スタッフの働く時間や休みが法律の範囲内で変動するイメージでしょう。

    たとえば、フロントスタッフのAさんが今週「8時~17時」で働くのに対して、Bさんは「17時~翌2時」といったイメージです。また休みも、「今週のAさんは火曜と木曜、Bさんは月曜と水曜」のように、別の曜日になるケースもあるでしょう。

    ホテルで代表的な勤務パターンと労働時間制度 

    ホテルのシフト勤務といっても、その組み方は企業や職種ごとに異なります。代表的なパターンは以下の4つです。その仕組みを採用することが多いホテルの種類や、1日のシフトパターン例などを紹介しましょう。

    • 交替勤務:2交代制、3交代制 
    • 1日の勤務形態:中抜け勤務 
    • 労働時間制度:変形労働時間制 
    • その他:日勤専属、夜勤専属など 

    交替勤務:2交代制、3交代制 

    交替勤務で多いのは、2交代制と3交代制です。

    まず2交代制は、日勤と夜勤などのように2パターンのシフトにする考え方です。ビジネスホテルや小規模ホテルで採用されることが多いものとなります。

    • 【日勤】朝8時30分~17時(実働7.5時間+昼休憩1時間)など
    • 【夜勤】16時30分~翌朝9時(実働12時間+45分休憩×2回+3時間の仮眠×1回)など

    2交代制は、1日の業務を二つの勤務帯でカバーするため、3交代制と比べて1回の拘束時間が長くなる場合があります。通常の労働時間制では、休憩を除く実労働時間が原則として1日8時間または週40時間を超えると、法定時間外労働になります。ただし、変形労働時間制では判定方法が異なります。

    また、上記の夜勤のように長時間の勤務となる場合、仮眠時間が設けられたりするでしょう。夜勤明け休みの翌日が週休だった場合、まとまった時間のなかでゆっくり休みやすいかもしれません。

    次に3交代制とは、1日24時間を3つのシフトに分けるものです。スタッフが多いリゾートホテルやシティホテルで採用されやすい勤務形態になります。シフトパターンは、以下のようなイメージでしょう。

    • 【日勤】8時30分~17時(8.5時間)
    • 【準夜勤】16時30分~翌1時(8.5時間)
    • 【深夜勤】0時30分~翌9時(8.5時間)

    3交代制の場合、上記のようにシフトパターンが細かいことから、1回あたりの拘束時間が短く安定している傾向があります。

    1日の勤務形態:中抜け勤務 

    結婚式がある日のバンケット部門や、リゾートホテル、旅館などに多いシフト形態です。以下のようにいわゆる中抜けを挟み、長い時間の勤務を行います。会社近くの寮に住んでいれば、中抜け時間帯は寮で休憩できたりもするでしょう。

    • 7時~10時30分⇒(中抜けの昼休憩4.5時間)⇒15時~21時まで など

    労働時間制度:変形労働時間制 

    ホテルのなかには、1年単位の変形労働時間制を採用するところもあります。

    たとえば、スキー場とゴルフ場を併設するホテルの繁忙期は以下のようになり、それ以外の7月~9月は、閑散期となることが多いでしょう。

    • 【ゴルフ場の繁忙期】4月~6月、10月~11月
    • 【スキー場の繁忙期】12月~3月

    1年単位の変形労働時間制とは、労使協定の締結など所定の手続きを行い、1か月を超え1年以内の対象期間を平均して、1週間あたりの労働時間を40時間以内に収める制度です。

    会社がこの制度を導入している場合、閑散期の7月~9月は「労働時間が短く、休みが多い」、繁忙期は「労働時間が長く、休みが少ない」といったシフトになりやすいでしょう。

    変形労働時間制については、厚生労働省の以下の資料で詳しく解説されています。ぜひ参考にしてください。

    参考:1年単位の変形労働時間制(厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署)

    その他:日勤専属、夜勤専属など 

    ホテルのなかには、労働基準法の範囲内で独自のシフトパターンを設けるところもあります。たとえば、以下のようなものです。

    日勤専属シフト(夜勤なし・シフト時間帯は応相談)

    • 【勤務パターン】7時~16時、8時~17時、12時~21時、13時~22時
    • 【実働時間】8時間/日
    • 【平均勤務日数】1ヵ月あたり21日

    また、なかには「8時~22時の間で応相談」や「夜勤専属シフト」といったものもあります。

    【部門別・職種別】ホテルの勤務シフト

    ホテルの勤務シフトは、担当する職種や仕事内容の影響を受けます。またホテルの場合、24時間営業であることから、夜勤がある職種も存在する形です。ここでは、以下の代表的な4つの部門についてシフトの形態・夜勤の有無を見ていきましょう。

    • フロント
    • レストラン(調理・給仕・ソムリエ・バーテンダー など)
    • ハウスキーピング
    • バックオフィス・フロントオフィス

    ホテルフロントのシフト形態と夜勤の有無

    ホテルフロントの場合、以下のいずれかのシフトパターンで働くケースが多いです。

    • 2交代制(日勤・夜勤)
    • 3交代制(早番・遅番・夜番)
    • 日勤もしくは夜勤の固定勤務(毎日の勤務時間は変動) など

    フロントにおけるシフト勤務の特徴は、以下のような業務を行うためにチームの誰かが必ず夜勤に入る必要がある点です。ただし、日勤専属での入社となれば、夜勤以外の時間帯に働くイメージでしょう。

    • チェックイン・チェックアウト対応
    • 会計
    • 予約管理
    • インフォメーション など

    レストランのシフト形態と夜勤の有無

    ホテルのレストラン(料飲部門)には、以下のように多彩な職種があります。

    • 調理
    • 調理補助
    • 給仕(サービススタッフ)
    • ソムリエ
    • バーテンダー
    • バンケット
    • ルームサービス など

    レストラン部門のシフトは、お店の営業時間帯のほかにルームサービスの有無、宴会・イベントの影響を受けます。

    たとえば、ビジネスホテルの場合、「朝食スタッフ」と「夕食スタッフ」として2交代制もあるでしょう。また、朝食と夕食を同じスタッフが担当する場合、中抜けシフトになることもあります。

    レストランの営業時間が朝~夜であれば、原則として夜勤シフトはないでしょう。一方、24時間または深夜までルームサービスを提供している場合は、夜勤や深夜帯のシフトが発生します。

    ハウスキーピングのシフト形態と夜勤の有無

    ハウスキーピングの仕事では、お客様がチェックアウトされた客室の清掃・ベッドメイキング・備品補充などを行い、次のお客様が宿泊できる準備を行います。

    こうした特徴から、ハウスキーピングは「9時~15時」や「9時~17時」の日勤のみ・固定シフトになるケースが多いです。ここまで紹介したフロントやレストランと比べて、生活リズムも整えやすいでしょう。

    バックオフィス・フロントオフィスのシフト形態と夜勤の有無

    バックオフィス・フロントオフィスとは、以下のような部門・職種の総称です。

    【バックオフィス】

    • 総務
    • 購買
    • 人事
    • 経理/財務
    • IT/PMS管理(社内SE)

    【フロントオフィス】

    • 広報/マーケティング
    • 営業(セールス)企画

    これらの勤務シフトは、「8時30分~17時30分」や「9時~18時」などの時間固定になることが多いです。休日は、担当業務やホテルの方針の影響を受けます。

    たとえば、外回りの法人営業の場合、土日祝休みの完全週休2日制になるケースもあります。一方で、リゾートホテル全体の両替や売上集計を行う経理などは、土日祝勤務・平日休みになることもあるでしょう。

    ホテルのシフト勤務は疲弊しやすいって本当?

    ホテルへの就職・転職で初めてのシフト勤務に挑戦する場合、「体力的に持つだろうか?」や「疲弊するのではないだろうか?」といった不安が生じるかもしれません。

    実際は、自分のライフスタイルや体力などに合う職種・勤務形態を選ぶことで、あまり疲弊することなく働き続けることも可能となります。

    ここからは、ホテルのシフト勤務で疲弊しないためのチェックポイントや、希望シフトの通りやすさ、シフトの働き方がきつい場合の対処方法を紹介しましょう。

    【応募前の準備編】ホテルのシフト勤務で疲弊しないためのポイント

    ホテルのシフト勤務で疲弊しないためには、求人への応募前にさまざまな準備が必要となります。ポイントを見ていきましょう。

    希望の働き方を明確にする

    最初に必ず行うべきことは、自分が求める働き方・勤務時間・休日を以下のように明確にすることです。

    • 家族との生活があるため、毎日同じ時間帯に働きたい
    • 日勤で働きたい、休みは何曜日でも良い
    • たくさん稼ぎたいため、夜勤がある職種が良い など

    たとえば、毎日同じ時間帯に働きたい場合、ハウスキーピングやバックオフィスの仕事が候補に入ってくるでしょう。

    求人に記載されている労働条件を確認する

    自分の希望条件が決まったら、その内容に合う求人情報を探していきます。職業安定法の第5条の3第1項、第2項では、企業が労働者を募集する際に、いわゆる労働条件を明示することが定められています。

    そのため転職を希望する人は、求人情報を見ることで「シフト制かどうか?」などをチェックできる形です。シフト勤務に挑戦するうえで特に確認したいのが、以下のポイントになります。

    1. 勤務時間(シフトパターン)
    2. 休日・休暇
    3. 賃金・給与

    【1.勤務時間(シフトパターン)】

    たとえば、日勤のパターンとして以下の記載がある場合、「これらをどのように回すのか?」や「時間固定の希望は通るのか?」といった疑問が生じるかもしれません。気になったポイントは、直接問い合わせてみると良いでしょう。

    • ① 07:00~16:00
    • ② 08:00~17:00
    • ③12:00~21:00
    • ④13:00~22:00 

    【2.休日・休暇】

    休日・休暇については、以下のように多彩な書き方があるはずです。

    • 休み:月8日(土日祝以外)
    • 1か月あたり平均21日の出勤、年間休日 108日
    • 年1回のリフレッシュ休暇あり (3日~5日取得可能)
    • 希望休取得OK など 

    「月8日休み」のような記載の場合、年間で何日になるかを確認しましょう。

    企業によっては、記載した休日とは別に法定外の特別休暇を設けているケースもあります。したがって、求人のチェックや問い合わせをする際には、「休日・休暇はどうなっているのか?」や「その取得はしやすいのか?」の視点が求められるでしょう。

    【3.賃金・給与】

    なお、シフト勤務による疲弊は、給与や賃金の低さからも生じます。それはいわゆる「割が合わない」という状態かもしれません。

    たとえば、ホテルのなかには、給与に一定時間の残業代が含まれるみなし残業制度を導入するところがあります。この仕組みは、固定残業代と呼ばれたりするでしょう。

    固定残業代の対象時間を実際の法定時間外労働が超えた場合、会社は超過分の割増賃金を追加で支払う必要があります。法律的に見て得られるはずの報酬が支払われなければ、モチベーションも下がるでしょう。

    午後10時から午前5時までの勤務には、原則として25%以上の深夜割増賃金が必要です。シフト勤務で適切な給与を受け取るためには、「どのような考え方で残業代が計算されるのか?」のチェックも必要でしょう。

    なお、固定残業代の考え方は、厚生労働省が示す以下のページで確認できます。ぜひ参考にしてください。

    参考:固定残業代 を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。(厚生労働省)

    仮眠・休憩環境を応募前に確認する

    夜勤や中抜けによる長時間休憩がある場合、「どういった環境で休めるのか?」の確認も必要です。休憩・仮眠の環境が悪い場合、疲労が蓄積しやすくなります。以下のようなポイントの確認が必要でしょう。

    • 【中抜けの場合】食事や昼寝ができるスペースはあるのか?
    • 【夜勤の場合】仮眠は個室でできるのか?大部屋か?
    • 【2交代制による長時間勤務や夜勤の場合】シャワー室はあるのか?

    明示された労働条件とシフト契約の内容を確認する

    企業と働く人が労働契約を締結する場合、会社側では契約内容をまとめた労働条件通知書を必ず明示しなければなりません。この書面には、以下を中心とする内容が記載されています。

    • ①契約期間
    • ②期間の定めがある契約を更新する場合の基準
    • ③就業場所、従事する業務
    • ④始業・終業時刻、休憩、休日など
    • ⑤賃金の決定方法、支払い時期など
    • ⑥退職(解雇の事由を含む)

    引用:「シフト制」で働くにあたって知っておきたい留意事項(厚生労働省)

    上記については、労働基準法などの法律および就業規則に基づく内容であることが原則でしょう。一方で、会社がシフト勤務を導入している場合、法律の定めがないところで以下のような会社独自のルールや仕組みが設けられています。シフト勤務をする場合は、詳細について会社に質問し、必要な事項について合意しておくことが大切です。

    • シフトの提出期限
    • 確定シフトの通知方法、通知時期
    • シフト提出の方法(アプリの操作マニュアル、提出用エクセルシートの有無 など)
    • 確定シフトをキャンセルする場合の期限、手続き
    • 目安の労働日数と時間数(土日祝日を中心に週3日・1日あたり平均8時間、休みは火水木が中心 など)
    • 最大の労働日数と時間数(繁忙期は週4日や1日10時間程度になることもあり、残業代は別途支給 など)
    • 最低の労働日数と時間数(1ヵ月8日以上の勤務が必須 など)

    なお、厚生労働省の資料では、会社への相談や合意したほうが良い事項のなかに、「会社は、シフト作成時に、事前に労働者の希望を聴くこと」と記載しています。希望条件が通るかどうか気になる際には、この資料の存在を示してもよいかもしれません。

    シフト勤務をするうえで応募時と採用が決まったあとで確認すべき事項は、厚生労働省の以下資料で詳しく示されています。ぜひ参考にしてください。

    参考:「シフト制」で働くにあたって知っておきたい留意事項(厚生労働省)

    【採用後の働き方編】ホテルのシフト勤務で疲弊しないためのポイント

    ホテルのシフト勤務を健康的に続けるためには、働き方や生活の部分でも注意すべき点があります。実践しやすい3つのポイントを解説しましょう。

    休息をしっかり取る

    たとえば、2交代制や3交代制でさまざまな時間帯のシフトに入ると、生活リズムが乱れ、不眠や疲労が抜けにくいといった問題を抱えやすくなります。眠れない、疲れが取れないといった状態が続けば、強い眠気や集中力の低下を招き、仕事のパフォーマンスにも影響するでしょう。

    こうした悪循環を防ぐには、休日にまとめて眠るのではなく、勤務日も含めて必要な睡眠時間を確保することが大切です。勤務日と休日で、眠る時間帯を大きくずらしすぎないようにしましょう。

    夜勤や中抜け勤務をするスタッフ向けに仮眠室が用意されている場合は、そこでしっかり仮眠を取ることも必要です。12時から15時ごろに15~30分程度の短い昼寝をすると、眠気や疲労感の軽減が期待できます。このような短時間の昼寝は「パワーナップ」と呼ばれています。

    休日やシフト前の時間に活動したい気持ちも理解できますが、疲労の蓄積やパフォーマンスの低下を感じているときには、しっかり休んだほうがよいかもしれません。

    参考:『パワーナップ』昼寝効果で疲労回復する方法(厚生労働省)

    規則正しい食事や栄養摂取を心がける

    連日の中抜け勤務や、終業から次の始業までの勤務間インターバルが短い生活をしていると、「お弁当をつくるのが面倒だからパンだけ」や「今夜はお菓子とお酒で済ませてしまおう」といった状況に陥りやすいかもしれません。また、食材の買い出しに行く時間がなかったりすると「夕食と朝食は抜き(昼だけ社食など)」になる可能性もあるでしょう。

    そこで注意したいのが、適正な身体のリズムや高いパフォーマンスを保つためには、規則正しい食生活や栄養摂取も大事な要素である点です。

    具体的には、夜遅い時間帯に食事を摂取すると、血糖値の増加から生活習慣病の発症リスクが高まることが指摘されています。また、疲労回復や安眠をするためには、栄養バランスの整った食生活をすることも大切です。

    厚生労働省では、シフト勤務(交代制勤務)の食生活に関する留意点を、以下のページで詳しくまとめています。ぜひ参考にしてください。

    参考:交代制勤務者の食生活に関する留意点(厚生労働省)

    職場の人間関係を良くしておく

    ホテルのシフト勤務を行うなかでは、以下のようなやむを得ない理由からシフトの変更・調整、急なキャンセルをする可能性もあるはずです。

    • 土日祝限定のハウスキーピングを担当しているが、来月は土曜日に保育園の行事が入ってしまった
    • 娘がインフルエンザになり、5日間の出席停止になってしまった
    • 自動車が故障して、会社に向かえなくなった(家族が帰宅次第、送ってもらう予定) など

    そこで急なお休みやシフト調整のお願いを行いやすくするためには、普段からシフト作成の担当者やチームメンバーとの良好な関係を築いておくことが大切です。

    また、たとえば子育て中のパパ・ママが多い職場では、ほかのスタッフが学校行事のときにシフトを替わってあげたりすると、自分が休みたいときのお願いがしやすくなるかもしれません。

    ホテルスタッフの休みや希望シフトはどこまで通るもの?

    ホテルでシフト勤務をしながらプライベートも充実させたい場合、希望のシフトや休みが通るのかどうかも気になることだと思います。この点は、ホテル業界の特徴や「通りにくい」と言われる背景的理由を理解することで、最適な勤務先選びが可能になるかもしれません。ポイントを見ていきましょう。

    希望シフトが「通りにくい理由」とされる大きな理由

    まずホテル側の本音としてあるのが、働く人の休みは「なるべくお客様が少ない日に取ってほしい」というものです。

    たとえば、観光地のホテルやリゾートホテルの場合、多くのお客様が訪れる土日祝や大型連休がいわゆる稼ぎ時になります。こうしたホテルのフロントやレストランといったサービス系の部門では、土日祝に休むことは難しいのが現状です。

    これに対して出張者の利用が中心のビジネスホテルでは、平日の稼働が高いケースもあります。しかしそこで観光地も近ければ、「平日はビジネスパーソンが中心、土日祝は旅行者・家族連れが中心」となるかもしれません。

    そういうなかで自分の希望するシフトを通しやすくするためには、応募時に自分とホテルのニーズをマッチさせることが大切です。たとえば、趣味やプライベートの用事などで土日祝休みを頻繁に申請する場合、最初からハウスキーピングの平日限定スタッフや営業の求人などに応募するのも一つでしょう。

    また、ホテルのなかには福利厚生的な位置づけで、月2~4日程度の「リクエスト休(希望休)制度」を設けているところもあります。この制度がある求人に応募する場合は、「連休は取れるのか?」や「曜日はいつでも良いのか?」などの確認をしたほうがよいでしょう。

    ホテルにおける年間休日の実態

    令和7(2025)年の就労条件総合調査では、1企業平均年間休日総数が「112.4 日」、労働者1人平均年間休日総数 「116.6 日」とされています。これは常用労働者 30 人以上の民営企業から抽出された6,448 社のうち3,820社の有効回答 より出された数字です。

    参考:令和7(2025)年「就労条件総合調査」の結果を公表します(厚生労働省)

    一方で、たとえばホテル求人で目にする「月8日の休み」は、年間で計算すると「96日」になります。これは、先述の就労条件総合調査の数字と比べてかなり低い水準でしょう。

    しかし近年では、慢性的な人手不足を解消する目的などから、以下のような施策で年間休日を増やすホテルも出てきています。

    • 休館日を設定して営業日数を減らす
    • 運営を効率化して 1営業日あたりに必要な従業員数を減らす

    こうした施策を積極的に行うホテルの場合、全業種の平均より高い120日前後の休日を実現することも可能なようです。なるべく多くの休みがほしい場合は、「年間休日:120日前後」を目安に求人探しをしてみるとよいでしょう。

    人員不足やスタッフ層・社会情勢の影響も受ける

    ホテル側が求人で示す休日の日数は、各社が独自に計算したものです。ただし、以下のような状況が生じた場合、シフトの時間数・日数・曜日・休日などが変わる可能性もあります。

    • フロントスタッフ2名がインフルエンザになり、著しい人手不足に陥った
    • 新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の影響で、宿泊者数が著しく減少した
    • 大型台風の上陸に伴い、臨時休館することになった など

    ホテルのシフト勤務に関するよくある質問

    ホテルでシフト勤務を始める場合、さまざまな疑問や不安が生じることだと思います。ここでは、初めてシフト勤務に挑戦する方からの問い合わせが多いよくある質問と回答を紹介しましょう。

    ホテルの勤務シフトはいつまでに提出すればいい?

    勤務シフトの提出時期は、ホテルごとに異なります。求人には以下のように書かれていたりするでしょう。

    • ①月1シフト提出
    • ②シフトサイクル1ヵ月(提出期限:シフト開始の10日前、確定時期:シフト開始の5日前) など

    求人に具体的な記載がない場合は、シフトのサイクル・提出期限・確定時期などについて、事前の問い合わせをしたほうがよいでしょう。

    ホテルの勤務シフトはいつ決まる?どのような方法でわかるもの?

    勤務シフトの決定時期も、ホテルごとに異なります。良心的なホテルでは、求人に「提出期限:シフト開始の10日前、確定時期:シフト開始の5日前」と記載したりするでしょう。

    確定したシフトの共有・周知方法も、勤務先次第です。

    シフト管理アプリを使う企業では、アプリ上でシフトの申請・確認・変更依頼を行えるかもしれません。一方で、小規模な宿泊施設などでは、確定シフトが事務所の壁に張り出されたりもするでしょう。

    正社員とアルバイトの勤務シフトは違うもの?

    ホテルなどの接客業の場合、欠員状況や体制の影響を受けて、アルバイトでも正社員と同様に1日8時間などのフルタイムや早番・遅番のシフトに入るケースもあります。したがって、「アルバイトだから正社員よりも短時間」や「休みが多い」といったことは一概に言えません。

    ただし夜勤は、少人数のスタッフでさまざまな対応を行うことから、傾向として正社員や契約社員のシフトが多くなります。

    なお、国が定めた同一労働同一賃金という考え方により、企業では正社員とアルバイト・パートなどの間における不合理な待遇差を是正しなければならなくなりました。そこでたとえば、「アルバイトだけは希望休が通らない」などの問題がある場合は、同一労働同一賃金に基づくシステムになっているかどうかを一度確認したほうがよいかもしれません。

    参考:パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが変わります(令和8年10月1日施行)(厚生労働省)

    ホテルのシフト勤務がきつくて仕方がない場合の対処方法

    最初は「続けられそうだ」と思いシフト勤務に挑戦しても、実際にやってみると疲労回復が難しかったり、パフォーマンス低下から仕事に支障が出たりすることもあるかもしれません。そこで「シフト勤務がきつくて仕方がない」と感じた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。3つのポイントを紹介します。

    まずは1日しっかり休む

    シフト勤務により寝不足が続くと、感情のコントロールが難しくなるとされています。これは、ネガティブ・ポジティブの両方にいえることです。そこでネガティブな気持ちが強くなると、「シフト勤務はきつくて仕方ない」や「自分には向いていないかもしれない」といった思いが生じるかもしれません。

    シフト勤務を続けるなかで疲労が溜まり、以前とは明らかに異なる感情が出てきた場合は、まず休日にしっかり休んでみましょう。

    また、国が定める発生要件をクリアすると、年次有給休暇を取得する権利が得られます。そのため、思うように休みがとれなかったり勤務間インターバルが短いシフトが続いていたりする場合は、年次有給休暇の取得を申請して、自主的に休息を取ることも大切でしょう。

    参考:年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています(厚生労働省)

    シフト調整や部署異動を願い出てみる

    シフト勤務によって心身の不調やパフォーマンスの低下、仕事のミスなどが生じている場合、上司にその旨を率直に相談することも一つです。ここで大切になるのが、以下のように「どういう理由から、どのように変えてほしいか?」を具体的に伝える点になります。

    • 睡眠不足で集中力が低下しており、◯◯業務でミスが続いている
    • 疲労が溜まりすぎていて、笑顔での接客が難しくなっている など

    また、シフト勤務へのつらさは、子育てや結婚などのライフスタイルの変化や家族の影響で生じることもあります。そこでたとえば、「家族の起床時間と自分のシフトが合わなくなっている」や「転居により早番がきつくなっている」といった事情があれば、異なるシフトの職種への異動希望を出すのも一つかもしれません。

    転職を検討してみる

    ホテルのシフト勤務は、各勤務先の繁忙期やシステム、体制の影響を強く受けるものです。そこでもし「人員不足でハードな勤務が続いている」や「自分がいないと他のスタッフが困ってしまう」といった個人レベルでの改善が難しい問題がある場合、思い切って職場を変えてみるのも一つです。

    そこで活用したいのが、宿泊業に特化した転職エージェントです。

    転職エージェントとは、良い人材を採用したいと考える企業と転職希望者の間で、双方の活動を支援するサービスの総称です。エージェントには、宿泊業に詳しいアドバイザーが在籍しています。

    アドバイザーには「勤務時間固定のシフトで働きたい」や「夜勤は難しいので、日勤だけのフロント求人はないだろうか」といった相談も可能です。また、これまでの経験・スキルの棚卸しや履歴書作成、面接対策の支援なども行えるケースが多いでしょう。

    シフト勤務をするなかで疲弊してしまい、具体的な対処方法が思いつかない場合は、転職エージェントに相談をしたうえで、自分の今後について考えてみても良いでしょう。

    ホテルのシフト勤務にも疲弊しない働き方がある

    ホテルのシフト勤務も、自分の希望条件やライフスタイルに合うものを選ぶと、疲弊することなく快適に働けることが多いです。また、2交代制や3交代制の場合、生活リズムが乱れがちになりますが、勤務日を含めて必要な睡眠時間を確保し、勤務日と休日で睡眠時間帯を大きくずらしすぎないことが大切です。

    こうした対処を行ってもシフト勤務による悩みや心身の不調が改善しない場合は、さまざまなホテル求人を取り扱う転職エージェントに相談をしてみてください。エージェントのアドバイザーに自分の希望条件や具体的な悩みを伝えると、最適な求人選びにつながりやすくなるでしょう。

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