求人票に並ぶ条件や業務内容の奥には、その企業が大切にしている理念や、地域・現場で紡がれるストーリーが存在します。しかし、そうした目に見えにくい職場の空気感や、受け入れ側の温もりを求職者へ届けるのは決して容易ではありません。
今回、ホテルメトロポリタンエドモントにホテリエキャリアを通じて入社されたのは、調理職の栁沼さんと、宴会サービス職の松野さんのお二人です。
転職を強く決意していたわけではない栁沼さんと、複数の会社を比較していた松野さん。お二人が入社前に抱えていた迷いや、選考で確認していたポイント、そして働き始めてからのリアルな変化について、日本ホテル総務部の岩楯さんと、ホテルメトロポリタンエドモントの川村さん、さらに現場で活躍するお二人の言葉を交えて紐解きます。
プロフィール
岩楯 さん|日本ホテル株式会社 総務部
日本ホテル株式会社の総務部で主に中途採用を担当。各ホテルの求人情報を集約し、人材紹介会社との窓口を担っている。
川村 さん|日本ホテル株式会社 ホテルメトロポリタンエドモント 総支配人室 総務グループ 課長代理
メトロポリタンエドモントの採用に携わり、今回のお二人の面接を担当。
栁沼 さん|日本ホテル株式会社 調理職
ホテリエキャリアを通じて入社。前職同様に調理職として勤務されている。
松野 さん|日本ホテル株式会社 宴会サービス職
ホテリエキャリアを通じて入社。学生時代にホテルメトロポリタン仙台にてアルバイトを経験し、現在は同系列のメトロポリタンエドモントで勤務されている。
一歩を踏み出すまでの戸惑いと、エージェントという伴走者
転職エージェントに対して「営業や勧誘が多いのではないか」「自分の希望とは違う求人を強く勧められるのでは」という懸念を抱く方は少なくありません。
栁沼さんも、はじめから積極的に活用しようとしていたわけではなく、調理職向けの求人情報サイトだと思って登録したことがきっかけでした。エージェントから直接電話がかかってきたときは、思わず戸惑ったといいます。
びっくりしました。『電話が来るのか、それならやめようかな』と思ったりはしましたね。(栁沼さん)
栁沼さんは当時を振り返り、そう笑いながら教えてくれました。
しかし、そこからやり取りを重ねる中で印象が変わっていきました。
働きながら求人を探し、複雑な選考スケジュールや煩雑な段取りを一人で進める負担は小さくありません。担当の仲丸とのやり取りを通じて、スケジュールを一緒に組み立て、細かなサポートをしてくれたことが大きな支えになったと振り返ります。
自分があまり手つかずな状態だったので、段取りを決めてくださり、ある意味、覚悟を決めさせてくれました。自分の今やっている本業に集中しつつ、面接の準備などもサポートしてもらえるのは、すごい助かりました。(栁沼さん)
当初は応募先を1社に絞る予定でしたが、担当者との対話を通じて複数の選択肢を知り、視野を広げていきました。
自分一人じゃ決めきれない部分、わからない部分を担当者(仲丸)が様々な視点で情報を引っ張ってきてくれました。そういった面で相談できる人がいたのは、すごく心強かったなと思います。(栁沼さん)
複数の会社を比較していた松野さんは、面接の雰囲気や、チームとして働くことへの考え方を確かめながら、入社先を選びました。
二社で迷っていた際には、担当の杉本が、比較先で働いた経験のある別のアドバイザーにつないでくれたといいます。松野さんは、その経験を聞けたことに感謝していると話しました。
お二人が何を相談し、何を判断材料にしたのかを、ここから見ていきます。
面接で見られていたのは「チームで働く姿勢」
ホテルメトロポリタンエドモントの面接で、人事の川村さんが確認していたのは、これまでの経歴や技術の高さだけではありません。
日本ホテルが大切にする「明るい笑顔」「親切な応対」「チームワーク」といったCS行動指針を念頭に置き、周囲と協力して業務を遂行できるかという点を、具体的なエピソードの中から見極めています。

【日本ホテルが大切にするCS行動指針 -7essence-】
- 私たちは、明るい笑顔で接します。
- 私たちは、親切な応対をします。
- 私たちは、感謝の気持ちを忘れません。
- 私たちは、チームワークを大切にします。
- 私たちは、安心を提供します。
- 私たちは、向上心を持ち続けます。
- 私たちは、責任ある行動をします。
個々のプレーで勝手に動くのではなくて、チームプレーができるかどうかを見ています。周囲を巻き込みながら会社の目標やビジョンを理解し、一緒に会社を良くしていこうという人材かどうかを大切にしています。(川村さん)
面接では、これまでの実務経験だけでなく、学生時代の活動やアルバイト経験についても質問が及びます。
さらに、
お部屋に入った瞬間ですね。笑顔が出るかどうか。(川村さん)
といった、現場でのコミュニケーション能力や第一印象も重視されます。
松野さんにとって、この面接の雰囲気こそが入社先を決定する重要な判断材料となりました。
複数社を受ける中で、同ホテルでは総支配人と直接話し、個人的な事情も含めてじっくりと話を聞いてもらえたことが強く印象に残っているといいます。前職での数値評価に対するプレッシャーがあったからこそ、「どのようにチームの一員として動くか」という企業姿勢は、次の職場選びの確かな安心感につながりました。
新しい環境への挑戦と、温かなサポート

新しい環境へ飛び込む前には、誰もが少なからず不安を抱えるものです。松野さんは、新しい環境への適応や宴会サービスの業務についていけるかというプレッシャーを強く感じていました。体調不良により入社時期が当初の予定より遅れたこともあり、重量物を扱う作業への懸念もあったといいます。
しかし、入社後は周囲の温かいサポートを受け、少しずつ対応できる範囲が広がっています。
先輩たちの温かい指導やバックアップがあるからこそ、日々の業務を通じて自身の成長を実感でき、「将来的には宴会を統括するキャプテンを目指したい」と前向きな目標を語ってくれました。
また、調理職として配属された栁沼さんも、前職とは異なる日々の仕事の進め方や手順(オペレーション)に直面しました。
前職とやることは同じでも、やるまでのオペレーションが違う。自分の中で馴染んでいたものがあったので、そこをもう一回作り直すのにはちょっと苦戦しました。(栁沼さん)
栁沼さんは、別のホテルとも比較したうえで、自分のやりたい料理に近づけると感じたことがエドモントを選んだ大きな理由だったと話します。馴染むまでに3か月〜半年の時間はかかったものの、大規模な宴席での調理や、新しい食材・調理法に触れることが現在の大きなやりがいになっています。
さらに、厨房全体を見渡しチームワークを意識しながら周囲と連携して進める大切さを実感し、チームの一員として貢献する喜びを感じています。
履歴書の疑問点を埋める、人事とエージェントの緻密な連携

日本ホテルでは、各ホテルの求人情報を本社人事担当に集約し、人材紹介会社へも共有する体制をとっています。履歴書や職務経歴書などの「文字データ」だけでは把握しきれない転職理由や希望条件について、紹介会社からの補足情報を大切にしています。
川村さんは、履歴書だけでは背景が読み取りきれない場合がある点を率直に語ります。
どうして今のところから弊社に移りたいのか、引っ越してまで弊社に入社したいのか、とか。職務経歴込みの履歴書を見ても、こちらとしては『わからないこと』ばかりなんです。そういうことを教えてくれると、すごく助かります。(川村さん)
また、総務部の岩楯さんも、企業担当の澤とのこまめなコミュニケーションが自身の業務整理にもつながっていると話します。
澤さんといろいろコミュニケーションを取りながら、自分の中でも整理しながら仕事をさせていただいているので、私としてもすごく助かっています。(岩楯さん)
候補者について分からないことがあれば確認し、担当者と連絡を取りながら進める――。求人票の文字情報だけでは見えない採用の舞台裏には、企業とエージェントの双方がお互いの信頼関係をベースに、候補者一人ひとりの背景に真摯に向き合うプロセスが存在しています。

