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お客様に喜ばれる小さな行動8選!ホテルの顧客満足度を測定する6つの指標や考え方も解説

顧客対応をするホテルのフロントスタッフ

一流のホテルマンとして仕事をするなかでは、お客様に喜ばれる小さな行動を積み重ねることが大切です。

こうした行動にはさまざまな種類があり、適切なものを組み合わせて実践することで、顧客満足度の向上やリピーターの獲得につながります。また、お客様に喜ばれる小さな行動は、ホテルマンが成長やキャリアアップするうえでも大切なものです。

そこでこの記事では、ホテルや旅館などのお客様に喜ばれるための考え方を確認したうえで、すぐ実践できる小さな行動を紹介します。記事の後半では、こうした行動がホテルマンに求められる理由も解説しましょう。

目次

お客様に喜ばれる行動の土台となる考え方

お客様のために最適な行動を選択するためには、その土台となる考え方と関連用語を理解することが大切です。3つのポイントを見ていきましょう。

お客様のニーズとウォンツを知る

お客様が求めることを指す概念として、ニーズとウォンツがあります。ホテルマンとして適切な接客・サービスをするなかでは、これらの概念の違いを理解することが大切です。

まずニーズは「必要性」です。ニーズは、何らかの不足に対してそれを「補いたい」という心理が反映されるでしょう。これに対してウォンツは、ニーズを埋めるために必要としている「特定の対象」「具体的手段」を指します。

たとえば、宿泊中のお客様が「部屋が寒い」や「何かで温まりたい」といった場合、それはニーズです。そこでホテルマンは、このニーズを満たすために「セラミックヒーターやブランケットを貸し出す」や「無料のコーヒーコーナーを案内する」などの対応を行えるでしょう。

お客様の満足度を高めるためには、お客様のニーズを汲み取り、希望を確認しながら、適切な解決策や選択肢を提案することが求められます。

予測と先読みの精度を高める

お客様のニーズに応じた解決策を適切なタイミングで提案するためには、予測と先読みの精度を高める姿勢も必要です。それは受け身の姿勢をやめて、可能な限り先回りの対応をすることを意味します。

こうした姿勢・対応が求められる理由は、言葉にされていないニーズに気づいて先手を打つと、お客様のなかに「この人は私のことをわかってくれている」というポジティブな気持ちが生まれやすくなるからです。

たとえば、とても気温が低い日にホテルまで薄着で歩いてきて、少し震えているようなお客様に対して、「お寒い中をありがとうございます。ブランケットをお貸しいたしましょうか。」と尋ねるのは、先読みによる提案です。

また、チェックイン時に「明日は街を散策するのだけど、天気が心配で…。」と言っていたお客様がいた場合、出発時に天気情報を先に伝えることも、相手のニーズを予測するからこそできる行動でしょう。

積極性を高める

積極性は、ニーズ・ウォンツの予測や先読みをするうえで不可欠な姿勢です。

フロントなどの新人スタッフの場合、まずはマニュアルを覚えてその通りの接客を行いながら、お客様のニーズに応えるのが基本となります。そこでお客様に喜んでいただくためには、お客様から要望が示されるのを待って対応する「受け身」から、先回りする「積極的な態度」に変わっていくことが大切です。

仕事をするなかで「お客様に喜んでいただけた」と感じる場面が少ない場合は、相手の言うことを聞くだけの便利屋さんになっていないかどうかをチェックする必要があるでしょう。

お客様に喜ばれるための小さな行動8選

お客様の満足につながる考え方を理解できたら、次は小さな行動を実践していきます。一流のホテルマンとして活躍するためには、お客様に喜ばれる小さな行動の引き出しを増やし、実践していくことが大切です。詳しく見ていきましょう。

笑顔での接客を心がける

お客様に喜ばれる行動の土台となるのは、笑顔での挨拶やコミュニケーションです。笑顔は心理的な距離を縮め、第一印象にも大きな影響を与えます。

ホテルで働くなかでは、クレームやカスタマーハラスメントを受けたり、忙しさから焦ったりすることもあるでしょう。フロントなどでお客様と接する際は、通常の挨拶や案内では自然な笑顔を心がけ、苦情や緊急事態には、状況に応じた落ち着いた表情と態度で対応することが大切です。

笑顔により心理的な距離が縮まると、会話のなかでお客様のニーズを引き出しやすくなります。

身だしなみを整える

お客様に「このホテルマンは信頼できそうだ」と感じてもらうためには、身だしなみを整えて、お客様目線の清潔感を維持することも大切です。

ただし、一般的なビジネスマンとホテルマンの身だしなみには、一つ大きな違いがあります。それはホテルマンには「スタッフ全体の統一感」が求められる点です。平易な表現を使えば「ホテルの一員として浮かないこと」ともいえるでしょう。

フロントやレストランのホールスタッフなどの場合、基本的には以下のようなポイントを大切にすることが多いです。そのためホテル独自のルールがあれば、その内容に合わせる必要があるでしょう。

  • 体のサイズに合った制服を着用する
  • 制服や髪型では統一美を意識する
  • 制服・靴・小物類に汚れや傷みがないことを確認する
  • アクセサリーは結婚指輪以外つけないのが基本
  • 髪色は黒くし、髪はすっきりまとめるのが基本
  • メイクはナチュラルが基本 など

敬語を正しく使う

敬語は、お客様に喜ばれるコミュニケーションの土台となるものです。敬語には以下の3つの役割があり、ホテルマンとして働くうえで必ず身につけるべきものとなります。

  • 相手を尊重しようとする気持ちを表す
  • 相手の立場に配慮する
  • 相手との親しさの程度を示そうとする

これまであまり敬語を使う機会がなかった未経験者がホテルで働く場合、まずマニュアルを通して必要なフレーズを覚えます。そのうえで「先輩の対応をまねること」と「ロールプレイングを繰り返すこと」によって身につけていくのがおすすめです。

また、お客様に失礼のない接客をするためには、特に注意が必要となるNGフレーズ集などを整理・確認することも大切でしょう。

利用場面や背景を想像する

ニーズに対する予測と先読みの精度を高めるためには、予約情報やお客様の服装などからホテルを利用した背景や目的を想像することが大切です。

たとえば、アウトドアブランドの洋服に身を包み大きなバックパックを背負ったお客様は、登山やハイキング前後の宿泊かもしれません。その場合、疲れを癒せる館内の温泉を案内するのも一つでしょう。

また、おひとり様がレストランを利用する際には、賑やかな家族連れやグループとは離れた、静かにゆっくり過ごせる席を案内してもよいかもしれません。

「お客様はなぜこのホテルを利用されているのか?」といった疑問を持つ習慣をつけると、小さな行動につながる予測や先読みの精度も上がりやすくなるでしょう。

服装や荷物から利用目的を推測するだけでなく、「これから登山に行かれるご予定ですか」「お席のご希望はございますか」などと確認したうえで案内しましょう。 

お客様の意見に共感を示す

フロントやレストランのホール業務などをしていると、お客様の不満や苦情に触れることがあります。そのなかには、ホテル側から見て理不尽で受け入れがたいものがあるかもしれません。そこからお客様の満足につなげるためには、オウム返しと呼ばれる復唱や要約を通して「共感を示したことを伝える」のがおすすめです。

たとえば「予約システムが使いづらかった。」という苦情があったと仮定します。そこで「予約時にご不便をおかけし、申し訳ございません。状況を確認させていただけますでしょうか」と、相手の不便に配慮しつつ事実関係を確認します。

また、不満・苦情をサービス改善につながる貴重な意見と捉えると、「それはご不便をおかけしました。貴重なご意見ありがとうございます。」と感謝の言葉に変えることで、相手との心理的な距離を近づけやすくなるでしょう。

お客様の特徴や会話内容を記憶する

お客様に喜んでいただくためには、お客様一人ひとりに合わせた対応によって、特別感を持ってもらうことも大切です。そこで必要となるのが、お客様のお名前・特徴・会話内容を記憶したうえで、コミュニケーションなどに活かす姿勢となります。

たとえば、お孫さんの七五三でホテル独自のプランを利用されたお客様には、次回の宿泊時に、前回の利用への感謝や七五三についての言葉を伝えるのも一つです。また、前回の宿泊時に固めの枕を注文された方には、チェックイン時に「◯◯様、枕は今回も固めでよろしかったでしょうか?」と尋ねてもよいでしょう。

前回のやりとりやお客様の好みなどを記憶しておくと、相手よりも先におもてなしの一言を伝えやすくなります。そうすると「さすが」と感じてもらいやすくなるでしょう。

お客様の利用履歴や好みを記録・共有する場合は、ホテルの個人情報保護方針や社内ルールに従い、必要な範囲で取り扱うことが重要です。 

マニュアル外の対応範囲を確認しておく

ホテル業務のマニュアルは、サービスを標準化し最低品質を確保するうえで不可欠なものです。しかしお客様に喜びや感動を与えるためには、マニュアルの範囲を超えた判断や対応が求められることもあります。

そこで大切になるのが自分の判断でどこまで動いてよいのか、裁量の範囲を確認しておくことです。自分の判断で動ける範囲を知ると、「自分で考えて行動する」という仕事への主体性や積極性が高まりやすくなるでしょう。

挨拶や言葉遣いで工夫をする

挨拶や会話で以下のような工夫をすると、特別感を与えやすくなります。

  • 「ありがとうございます。」⇒「◯◯様、いつもありがとうございます。」
  • 「いらっしゃいませ。」⇒「おかえりなさいませ。」

たとえば、感謝の言葉に添える「いつも」は、お客様に対して「大切な常連のお客様として認識している」というメッセージを伝えるものです。この「いつも」を添えることで、常連のお客様との距離を縮めやすくなるでしょう。

お客様に喜ばれる小さな行動はなぜ必要?

業界未経験からホテルスタッフとして働く場合、ここまで紹介した「小さな行動」が必要となる理由がわからないこともあるはずです。また、新入社員でマニュアルを覚えるだけでも大変な時期は、そこから+α(プラスアルファ)の行動が求められることがストレスになるかもしれません。

では、ホテルマンとして働くなかでお客様に喜ばれる小さな行動はなぜ必要なのでしょうか。2つの理由を見ていきましょう。

ホテル経営に好循環をもたらすため

それぞれのホテルマンがお客様に喜ばれる小さな行動を実践すると、ホテルに以下の効果が生まれやすくなります。

  • 顧客満足度が高まる
  • 口コミサイトなどの評価が上がる
  • 新規顧客やリピーターが増える
  • 稼働率が安定する など

たとえば、ホテルマンが実践した小さな行動が口コミサイトに投稿されると、それを見た人が「私もここに泊まってみたい!」や「こんなサービスを受けてみたい!」と感じるかもしれません。また、顧客満足度が高まるとリピーターも増えるため、ホテルの安定稼働につながりやすくなるでしょう。

ホテルスタッフにやりがいをもたらすため

お客様に喜ばれる小さな行動は、ホテルスタッフ個人にも多くの効果をもたらします。

まず、各スタッフが小さな行動を実践すると、現場でお客様から「ありがとう」と感謝されることが多くなります。また、サービスに満足したお客様は「ありがとう。また来るね。」といったメッセージをスタッフに伝えるかもしれません。

こうした感謝の言葉は、ホテルスタッフのやりがいを高めます。また、小さな行動に対するお客様からの反応は、「もっと良いサービスを提供しよう」といったチャレンジ精神の向上につながるものでもあるでしょう。

新規顧客やリピーターの増加による稼働率の安定は、ホテルスタッフの待遇を良くするうえでも不可欠な要素です。企業では、稼働率の安定から売上が上がるからこそ、スタッフの賃金や福利厚生を改善できることになります。

顧客満足度の把握に役立つ6つの指標

ホテルマンが実践する小さな行動やサービスをブラッシュアップするためには、代表的な指標を用いて顧客満足度を客観的に確認することも大切です。一般的に使われている6つの指標を紹介しましょう。

JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index) 

JCSIは「日本版顧客満足度指数」と呼ばれ、顧客期待、知覚品質、知覚価値、顧客満足、推奨意向、ロイヤルティの6指標から、サービスに対する顧客評価を多面的に分析する仕組みです。

JCSIの特徴は、お客様の購買行動における心の動きを重視している点です。それにより、以下の因果関係を明らかにしやすくしています。

  • サービスのどこを評価しているのか?
  • その評価の結果、どう行動するのか?

CSAT(顧客満足度スコア)

CSATは、KPI(重要業績評価指標)の一種です。特定のサービス・商品や、企業との一連の接点を通じた顧客体験について、どの程度満足しているかを測る指標です。

一般的には、ホテル宿泊などの顧客体験の直後に、「当ホテルのサービスにご満足いただけましたか?」などのシンプルな質問を行い、5段階や7段階の評価で回答してもらう形です。測定方法がシンプルでわかりやすいため、回答データを収集しやすいという特徴があります。

一般的に以下のような計算式で算出されます。

CSAT=「満足」「非常に満足」と答えた人数÷全回答者数×100

LTV(Lifetime Value) 

日本語で「顧客生涯価値」と呼ばれる指標です。LTVは顧客が企業との取引期間全体を通じてもたらす経済的価値を示す指標です。売上を基準とする方法と、顧客の獲得・維持にかかる費用を差し引いて利益を算出する方法があります。

中長期的な生涯価値に着目することから、既存のお客様との良好な関係を築きリピーター化につなげるうえでとても大事な指標となるでしょう。

NPS®(Net Promoter Score) 

NPS®は、商品・サービスに対する推奨意向を通じて顧客ロイヤルティを把握する指標です。この指標では「商品(サービス)を親しい人にどの程度おすすめしますか?」という質問から、11段階の回答を得ます。

推奨意向や顧客ロイヤルティの変化を継続的に把握するために活用されます。事業成長との関連が報告されている一方、関係の強さは業界や調査条件によって異なるため、CSATや継続利用率などの指標と組み合わせて分析することが大切です。

CES(Customer Effort Score) 

日本語では「顧客努力指標」と呼ばれ、商品やサービスを利用する際に、お客様が費やした労力や時間を示す指標です。

CESでは、予約や問い合わせにどの程度の負担がかかったか、または手続きをどれほど簡単に完了できたかを質問します。評価には5段階や7段階などが用いられますが、質問文や尺度の設定によって数値の意味が異なるため、分析時には「数値が高いほど良いのか、悪いのか」を明確にしておくことが大切です。

CESの数字が悪化した場合、お客様が商品・サービスを利用するにあたって、多くのストレスを感じている可能性が高いでしょう。

CRR(Customer Retention Rate) 

日本語で「顧客維持率」と呼ばれる指標です。CRRは、顧客が一定期間継続して利用している割合を示す指標です。顧客満足度の変化が影響することもありますが、価格や利用機会、立地などにも左右されるため、小さな接客行動の効果を確認する場合は、アンケートや口コミ、再来店理由などと組み合わせて分析する必要があります。

多くのお客様に喜ばれるホテルで働くためには?

ホテルマンの仕事にやりがいを見出すためには、多くのお客様に喜ばれる職場環境で働くことも大切です。では、顧客満足度が高くリピーターが多いホテルは、仕事探しの段階でどのように見つけていけば良いのでしょうか。探し方における3つのポイントを紹介しましょう。

公式サイトをチェックする

公式サイトや求人情報は、ホテルが掲げる理念や制度を知る手掛かりになります。ただし、現場での運用実態まで判断できるとは限らないため、面接時の質問や職場見学、具体的な研修内容なども確認しましょう。

そこに「このようなサービスを心がけています」や「我々のミッションは◯◯です」といった記載が並んでいれば、各スタッフが小さな行動を実践する文化や土壌がある可能性が高いでしょう。

また、現場で働くスタッフのインタビューページにも、小さな行動が当たり前になるまでの過程が書かれていたりするかもしれません。

いわゆるホテルアワードでの受賞歴も、参考になるでしょう。

求人情報をチェックする

求人における以下の情報も、お客様に喜ばれる行動を実践しているかどうかの基準になるものです。

  • 研修制度
  • 社員表彰制度
  • 現場の裁量範囲
  • スタッフ定着率 など

たとえば、「ホスピタリティの専門教育を受けられる」や「社内外コンクールに挑戦できる」といった記載があれば、お客様に喜ばれるための技術力の向上や成長の場の提供に力を入れている可能性が高いでしょう。

転職エージェントを利用する

公式サイトや求人情報を見ただけでは不安な場合は、宿泊業界に特化した転職エージェントを利用するのがおすすめです。エージェント利用の大きなメリットは、ホテル業界に精通したアドバイザーが、求職者のニーズに合った求人を提案してくれる点です。

そこでたとえば「接客サービスのレベルが高いホテルに入りたい」や「お客様に喜ばれるコンシェルジュになりたい」といったことを伝えると、希望条件に合うホテル求人を紹介してもらえます。

また、転職エージェントでは、自己分析や書類作成、面接対策などのサポートも行います。アドバイザーと二人三脚で転職活動を行うと、自分の希望に合うホテルと出会いやすくなるでしょう。

お客様に喜ばれる小さな行動ができるホテルマンを目指そう

ホテルマンが実践する小さな行動は、お客様の満足度を高めることはもちろんのこと、宿泊施設にリピーター増加や経営の安定をもたらすものです。また、小さな行動によりお客様から感謝されると、ホテルマン自身のやりがいやモチベーションも高まりやすくなります。

お客様に喜ばれる小さな行動が実践できるホテルや、こうしたテクニックを習得できる職場で働きたい場合は、宿泊業界に特化した転職エージェントに相談をするのがおすすめです。エージェントのアドバイザーと一緒にスキルの棚卸しや求人探しを進めていくと、未経験からでもキャリアアップできるホテルと出会いやすくなります。

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