ホテル企画職に興味はあるものの、「実際にはどんな仕事をしているのだろう」と気になっている人もいるのではないでしょうか。
ホテル企画職は、宿泊プランやイベントなどを考え、ホテルの利用につなげる仕事です。アイデアを出すだけではなく、販売後の反応を見ながら内容を見直すことも少なくありません。
この記事では、ホテル企画職の仕事内容や向いている人の特徴、未経験から目指す方法をわかりやすく解説します。
ホテル企画職とは
ホテル企画職は、宿泊プランやイベントを企画し、集客につなげる仕事です。接客を主業務としないことが一般的ですが、ホテルの規模や運営体制によっては、現場業務を兼任することもあります。
ホテルによって担当する業務は異なり、広報やSNS運用、販売促進を兼ねる場合もあります。
ホテル企画職はホテルの集客に関わる仕事
宿泊プランは、ホテルが販売する商品のひとつです。素泊まりや朝食付き、記念日向けなどの内容を考え、料金や特典をレベニューマネジメント担当者や上司と調整して決めます。
季節のキャンペーンや地域のイベントに合わせて企画することもあります。同じ客室でも、特典や利用シーンを変えることで、別のプランとして販売できます。
ホテル企画職の仕事内容
ホテル企画職は、宿泊プランやイベントの企画だけでなく、販売後の見直しや他部署との調整も行います。
ここでは、代表的な仕事内容を紹介します。
| 業務内容 | 主な仕事 |
| 宿泊プラン作成 | 朝食付きプランや記念日プランなどを考え、料金や特典を決める |
| イベント・キャンペーン企画 | 季節のイベントや地域の催しに合わせた企画を立てる |
| 他部署との連携 | フロントやレストランへ企画内容を伝え、実施に向けて調整する |
| 予約状況の確認 | 予約数や売れ行きを確認し、必要に応じて内容や料金を見直す |
企画を実施するためにはフロントやレストランなどとの打ち合わせも必要です。そのため、さまざまな部署と関わりながら仕事を進めます。
ホテル企画職は、企画を考えて終わる仕事ではありません。販売後の予約状況を確認したり、利用者の反応を見たりしながら内容を見直していきます。
宿泊プランを企画する
宿泊プランを作るときは、まず誰に利用してもらいたいのかを考えます。例えばカップル向けの記念日プランであれば、客室に特典を用意できるか、夕食付きにするかなどをレストラン担当と相談しながら内容を決めます。
内容が決まったら、次は料金設定です。同じ部屋でも、朝食を付けるか、チェックアウト時間を延長するかによって販売価格は変わります。
イベントやキャンペーンを企画する
夏休みやお正月など宿泊客が増える時期には、季節限定のプランを販売することがあります。地域の祭りや観光イベントに合わせて、特典付きの宿泊プランを作ることも少なくありません。
内容を決めた後は、いつからいつまで販売するか、何室を対象にするかなどを検討します。企画によってはフロントやレストランと打ち合わせを行い、実施できる内容かどうかを確認することもあります。
他部署と連携しながら販売準備を進める
新しいプランを始める前には、フロントに「このプランの予約が入ったらどう対応するか」を共有します。例えば、特典としてウェルカムドリンクを付ける場合、フロントでどのタイミングで渡すかを決めておきます。
レストランで特別メニューを提供する場合は、何食分用意できるか、提供できる時間帯はいつかを確認しておくことが必要です。これらの調整がないまま販売を始めると、現場で対応できないという問題が起きることがあります。
企画した内容を実際に販売するためには、さまざまな部署との連携が欠かせません。ホテル企画職は、現場と調整しながら販売の準備を進める仕事でもあります。
予約状況を確認して内容を見直す
プランを販売したあとは、予約サイトや自社予約システム、社内の管理ツールなどで予約数や売れ行きを確認します。予想していたほど予約が入らない場合は、周辺ホテルの料金と比較したり、プランの説明文や掲載写真を見直したりしたうえで、必要に応じて販売条件や掲載内容を変更します。
販売して終わりではなく、予約状況を見ながら内容を調整していくこともホテル企画職の仕事です。
ホテル企画職とマーケティング職・営業職の違い
ホテル企画職は、宿泊プランやイベントを考える仕事です。一方、マーケティング職は集客方法を考え、営業職は企業や旅行会社へホテルを利用してもらうための営業活動を行います。
どの職種も集客に関わりますが、担当する役割は異なります。
| 職種 | 主な仕事内容 |
| 企画職 | 宿泊プランやイベントを考え、料金や特典の内容を決める |
| マーケティング職 | 市場調査、広告、SNS、PR、販売促進などを通じて、ホテルの認知向上や集客につなげる |
| 営業職 | 企業や旅行会社を訪問し、宿泊や宴会の利用を提案する |
簡単に整理すると、企画職は「どのようなプランやイベントを作るか」に関わる仕事、マーケティング職は「誰にどう届けるか」まで含めて集客施策を考える仕事です。ただし、ホテルによっては両者の業務が重なることもあります。
企画職とマーケティング職の違い
企画職は、宿泊プランの内容を考える仕事です。「どんな部屋を」「いくらで」「どんな特典を付けるか」を決めながら、販売するプランを作ります。
一方、マーケティング職は、そのプランをより多くの人に知ってもらうための仕事です。SNSでの発信や広告の掲載、予約サイトでの見せ方などを担当します。
ホテルによっては両方の仕事を兼ねることもありますが、企画職は「プランを作る仕事」、マーケティング職は「プランを広める仕事」と考えると違いがわかりやすいでしょう。
企画職と営業職の違い
企画職は、宿泊プランやイベントを考える仕事です。一方、営業職は企業や旅行会社へホテルを利用してもらうための提案を行います。
例えば、出張で利用する企業や団体旅行を企画する旅行会社へ営業するのは営業職の仕事です。企画職が作ったプランを案内することもありますが、直接提案や交渉を行うのは営業職です。
ホテルによって担当する仕事は異なる
大きなホテルでは、企画・マーケティング・営業が別々の部署に分かれていることが少なくありません。一方、小規模なホテルでは、一人が企画や広報、販売促進をまとめて担当することもあります。
そのため、同じ「企画職」の求人でも仕事内容はホテルごとに異なります。応募する際は、どこまで担当するのかを求人票で確認しておくとよいでしょう。
ホテル企画職に向いている人
ホテル企画職は、「こんなプランがあったら利用したい」と考えることが好きな人に向いています。ただし、企画を考えるだけで終わる仕事ではありません。
販売後の予約状況を確認したり、他の部署と調整したりする場面もあるため、コツコツと仕事を進めることが苦にならない人にも向いています。
| 向いている人 | ミスマッチになりやすい人 |
| 予約数や売れ行きを見ながら内容を見直せる | アイデアを出すだけの仕事だと思っている |
| 他部署との打ち合わせや情報共有に抵抗がない | 他部署とのやりとりを負担に感じる |
| 他のホテルのプランや利用者の声に興味がある | 数字の確認や見直し作業が苦手 |
予約状況を見ながら内容を見直せる人
宿泊プランは販売したら終わりではありません。予約数を確認しながら、料金や説明文を見直すこともあります。
「なぜ予約が入らないのだろう」と考えながら試行錯誤することが好きな人は、ホテル企画職の仕事を楽しみやすいでしょう。
他部署との調整を進められる人
新しい企画を始める前には、フロントやレストランの担当者と打ち合わせを行います。「この内容なら対応できる」「この時間帯は難しい」といった意見を聞きながら、実施できる内容を決めていきます。
ホテル企画職は、さまざまな部署と関わる仕事です。人と相談しながら進めることが苦にならない人は働きやすいでしょう。
情報収集や企画を考えるのが好きな人
他のホテルのプランを調べたり、宿泊客の口コミを読んだりすることも多い仕事です。そうした情報の中から、「こんな企画もできそうだ」と考えることもあります。
普段から旅行やホテルに興味があり、いろいろな情報を見ることが好きな人は、企画職との相性がよいでしょう。
ホテル企画職でミスマッチになりやすい人
ホテル企画職は、宿泊プランやイベントを考える仕事です。ただし、実際の仕事内容が事前のイメージと異なる場合もあり、入社後にギャップを感じる人もいます。
ここでは、ホテル企画職でミスマッチになりやすい人の特徴を紹介します。
アイデアだけを考える仕事だと思っている人
「新しいプランやイベントを考える仕事」というイメージだけで企画職を志望すると、入社後に戸惑うかもしれません。
実際には、企画を考えるだけでなく、料金の調整や現場への確認、予約状況のチェックなども行います。アイデアを出す時間よりも、企画を販売できる形に整える作業に時間を使うことも少なくありません。
現場との調整を避けたい人
ホテル企画職はデスクワーク中心の仕事ですが、一人で完結する仕事ではありません。企画内容によっては複数の部署と打ち合わせを行いながら準備を進めます。
人とのやりとりよりも、一人で黙々と仕事を進めたい人は働きにくさを感じるかもしれません。
結果を見ながら仕事を進めるのが苦手な人
宿泊プランを販売した後は、予約状況を確認します。思うように予約が入らない場合は、料金や説明文を変更することも少なくありません。
そのため、結果を見ながら少しずつ内容を調整していく仕事が苦手な人は、負担を感じる可能性があります。
ホテル企画職で評価されやすい経験
ホテル企画職の経験がなくても、これまでの仕事で培った経験を活かせる場合があります。
特に、フロントや予約、営業、イベント運営などの経験は評価されやすく、企画職の仕事につながる部分も少なくありません。
| 経験 | 企画職で活かせること |
| ホテルフロント・予約業務 | お客様対応や予約状況の確認に慣れている |
| 営業・販売促進 | 商品やサービスを提案し、売れ行きを確認した経験がある |
| イベント運営・SNS運用 | 企画の立案から告知、反応の確認まで担当したことがある |
| 接客業での調整経験 | 他の担当者と相談しながら仕事を進めた経験がある |
お客様対応や社内調整、販売に関わった経験は企画職でも役立ちます。
ホテルフロントや予約業務の経験
フロントや予約業務では、宿泊客からさまざまな要望を聞く機会があります。
「記念日で利用したい」「朝食付きプランを探している」といった声を知っていることは、企画職が新しいプランを考える際にも役立ちます。
営業や販売促進の経験
営業や販売促進の仕事では、商品やサービスを売るだけでなく、その後の反応を確認します。
ホテル企画職も同じように、宿泊プランを販売したあとに予約状況を確かめます。販売後の結果を見ながら仕事をしてきた経験は、企画職でも役立つことが少なくありません。
イベント運営やSNS運用の経験
イベント運営では、参加者の反応をもとに次回の内容を考えます。SNS運用では、投稿への反応を見ながら発信内容を工夫します。
ホテル企画職も、宿泊プランを販売した後に予約状況や利用者の反応を確認します。そのため、企画から結果確認まで関わった経験は活かしやすいでしょう。
接客業での調整経験
飲食店や小売店で働いていると、スタッフ同士で予定を調整したり、他の担当者と相談しながら仕事を進めたりする場面があります。
ホテル企画職も、一人で完結する仕事ではありません。さまざまな部署とやりとりしながら進めるため、接客業での経験が役立ちます。
未経験からホテル企画職を目指す方法
未経験からホテル企画職を目指すことも可能ですが、求人はフロント職などに比べて多くありません。
ホテルの現場や予約部門で経験を積み、企画職へ移るケースがあるほか、販売促進やSNS運用、イベント運営などの経験を活かして応募できる求人もあります。
フロントや予約部門から目指す
フロントや予約部門では、宿泊客と接したり、予約状況を確認したりします。
どのようなプランが選ばれているのかを知ることは、企画職の仕事にも役立ちます。ホテル内で経験を積んだ後に企画職へ進むケースは少なくありません。
営業や販促担当から目指す
営業や販売促進の担当者は、宿泊プランの売れ行きやお客様の反応を確認します。
どのような提案が選ばれやすいのかを知っていることは、企画職が新しいプランを考える際にも役立つでしょう。そのため、営業や販売促進の経験が評価されることがあります。
企画アシスタントから経験を積む
ホテルによっては、企画担当者のサポート業務を担当することがあります。予約状況の確認や資料作成などを行いながら、企画職がどのように仕事を進めているのかを知ることができます。
企画職を目指している場合は、このような仕事から経験を積む方法もあるでしょう。
ホテル企画職で経験を積んだあとの働き方
ホテル企画職として経験を積むと、担当する仕事の幅が広がっていきます。宿泊プランだけでなく、販売促進やマーケティングに関わることもあります。
宿泊企画担当として経験を積む
宿泊企画担当として経験を積むと、季節限定プランや記念日向けプランなど、さまざまな企画に関わるようになります。
企画を考えるだけでなく、販売後の予約状況を確認したり、他の部署と連携したりする経験も増えていくでしょう。
マーケティングや販促担当へ広げる
経験を積むと、宿泊プランを考えるだけでなく、SNSでの発信や広告の運用に関わることもあります。
「どんなプランを作るか」だけでなく、「どうやって知ってもらうか」まで考えるようになり、業務の幅が広がる場合もあります。
マネージャーや本部企画職を目指す
経験を積んだ後は、企画チームをまとめるマネージャーを目指すこともできます。
また、本部で複数のホテルの企画や販売促進を担当するなど、より広い範囲の仕事に関わることもあります。
求人票で確認したいポイント
ホテル企画職の求人を見るときは、仕事内容をよく確認しておきましょう。
同じ「企画職」でも、ホテルによって担当する仕事は異なります。応募前に仕事内容を確認しておくことで、入社後のギャップを減らせます。
| 確認したい項目 | チェックするポイント |
| どのような企画を担当するか | 宿泊プランだけか、イベントやキャンペーンも担当するか |
| 企画以外の仕事はあるか | 広報やSNS運用、営業などを兼ねるか |
| 現場の仕事はあるか | フロントや接客業務を担当する場合があるか |
企画職の担当範囲を確認する
求人票に「宿泊プラン企画」と書かれていても、担当する仕事はホテルによって異なります。
プラン作成が中心の求人もあれば、販売後の予約状況の確認やキャンペーンの企画まで担当する求人もあります。応募前や面接の際に、どこまで担当するのかを確認しておくと安心です。
営業や広報との兼務がないか確認する
「企画職」の求人でも、営業先への訪問やSNS運用などを担当することがあります。
企画の仕事を中心に担当したい場合は、営業や広報の仕事がどの程度含まれているのかを確認しておきましょう。
現場業務の割合を確認する
小規模なホテルでは、企画担当者がフロント業務やレストランでの接客を兼ねることがあります。
デスクワーク中心の働き方を希望している場合は、現場業務がどの程度あるのかを確認しておくことが大切です。
自分の経験でホテル企画職を目指せるか迷ったら
ホテル企画職の求人は、同じ「企画職」という名称でも、ホテルによって仕事内容が異なります。宿泊プランの企画が中心の求人もあれば、広報や販売促進、営業に近い業務を担当する求人もあります。
そのため、自分の経験がどのような企画職で活かせるのか迷った場合は、宿泊業界に詳しい転職エージェントへ相談するのも選択肢のひとつです。
転職エージェントでは、次のような相談ができます。
・自分の経験で応募しやすい企画職の求人はあるか
・企画職と販促・マーケティング職の違いは何か
・ホテルごとに仕事内容はどのように異なるか
・求人票だけではわからない職場の特徴はあるか
一人で求人票を見比べるだけでは、実際の仕事内容まで判断できないことがあります。自分の経験を活かせる求人を探したい場合は、転職エージェントを活用するとよいでしょう。
よくある質問
Q. ホテル企画職に資格は必要ですか?
ホテル企画職に共通して必須とされる資格は多くありません。ただし、求人によっては、ホテル業界での経験やPCスキル、語学力、関連資格などが歓迎される場合があります。
そのため、資格の有無よりも、宿泊業界での経験や販売・企画に関わった経験が評価されます。
Q. 未経験からいきなり企画職になれますか?
未経験から企画職を目指せる場合もあります。ただし、企画職の求人は限られているため、フロントや予約担当として経験を積んだ後に企画職へ進む人もいます。
Q. ホテル企画職の年収はどのくらいですか?
ホテル企画職の年収は、勤務先や経験によって異なります。宿泊プラン企画だけでなく、販売促進、レベニューマネジメント、マネジメント業務まで担当する場合は、条件が変わることもあります。応募前に求人票で給与・手当・担当範囲を確認しましょう。
Q. ホテル企画職と広報職は違いますか?
違います。企画職は宿泊プランやキャンペーンを考える仕事で、広報職はホテルの情報を発信する仕事です。
小規模なホテルでは兼任することもありますが、役割は異なります。
ホテル企画職について解説しました
ホテル企画職は、宿泊プランやイベントを考えるだけでなく、料金設定や販売後の確認、他部署との調整も行う仕事です。
ただし、同じ企画職でも仕事内容はホテルによって異なります。広報や販売促進を兼ねる求人もあるため、求人票だけでは実際の働き方が見えにくいこともあります。
「自分の経験が活かせるのか」「どの求人を選べばよいのか」と迷ったら、宿泊業界に詳しい転職エージェントへ相談してみましょう。
一人で求人を比較するよりも、自分に合う求人を見つけやすくなり、入社後のミスマッチも防ぎやすくなります。

