ホテルの宴会場で、結婚披露宴や企業パーティーなどのサービスを担当するのがバンケットスタッフです。
華やかな会場で料理やドリンクを提供する姿を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、実際の仕事は接客だけではありません。
宴会が始まる前の会場設営、進行に合わせた料理の提供、急な変更への対応、終了後の片付けまで、幅広い業務をチームで担当します。
また、一般的なレストランとは、料理を提供するタイミングやスタッフの役割分担も異なります。仕事内容をよく理解しないまま入社すると、「想像していた仕事と違った」と感じるかもしれません。
本記事では、バンケットスタッフの仕事内容や1日の流れ、仕事のきつさ・やりがい、向いている人について解説します。未経験からホテルの宴会部門を目指している人は、仕事選びの参考にしてください。
バンケットスタッフとは?
バンケットスタッフとは、ホテルや結婚式場などの宴会場で、会場の設営、ゲストの案内、料理・ドリンクの提供、宴会の進行補助、片付けなどを担当するスタッフです。
「バンケット」は英語の「banquet」に由来し、日本語では宴会や祝宴を意味します。ホテルでは、宴会サービススタッフや宴会場サービススタッフと呼ばれることもあります。
実際にホテルの採用情報でも、宴会サービスの仕事内容として、宴会場のセッティング、料理の配膳、ドリンクの提供、片付け、接客対応などが挙げられています。
バンケットスタッフが対応する宴会は、結婚披露宴だけではありません。
- 企業の祝賀会や懇親会
- 会議やセミナー
- 表彰式
- 同窓会や謝恩会
- 学会や国際会議
- 記者会見
- 展示会
- 法要やお別れの会
- 家族の祝い事
宴会の目的や規模によって、会場のレイアウト、料理の提供方法、求められる接客も変わります。
数十人規模の会食を担当することもあれば、数百人が参加する立食パーティーに携わる場合もあるでしょう。同じ宴会場で働いていても、毎回まったく同じ仕事になるとは限りません。
バンケットスタッフは宴会部門の仕事の一つ
ホテルの宴会部門には、バンケットスタッフ以外にもさまざまな職種があります。
| 職種 | 主な仕事内容 |
|---|---|
| 宴会営業 | 法人や団体に宴会場や宴会プランを提案する |
| 宴会予約 | 幹事との打ち合わせ、見積書作成、料理・備品の手配を行う |
| バンケットスタッフ | 会場設営、料理・ドリンクの提供、進行補助を担当する |
| 宴会キャプテン | 当日の進行を管理し、スタッフへ指示を出す |
| ウェディングプランナー | 新郎新婦と結婚式や披露宴の内容を決める |
| クロークスタッフ | ゲストの上着や手荷物を預かり、管理する |
| 調理スタッフ | 宴会で提供する料理やデザートを調理する |
一般的に「バンケットスタッフ」と呼ばれるのは、宴会当日の接客やサービスを担うスタッフです。
宴会の契約や打ち合わせを担当する宴会営業・宴会予約とは、仕事内容が異なります。ホテルによっては宴会予約、婚礼担当、宴会サービスなどを別部門に分けているため、求人を見る際は職種名だけでなく業務内容も確認しましょう。
関連記事:ホテルの組織図をわかりやすく解説!部門構成・役職・部署のつながり
バンケットスタッフの主な仕事内容
バンケットスタッフの仕事は、宴会が始まってから料理を運ぶことだけではありません。
当日の進行表や席次、料理内容などを確認し、宴会前の準備から終了後の片付けまで担当します。
主な仕事内容を順番に見ていきましょう。
事前ミーティングと進行内容の確認
宴会前には、キャプテンや責任者を中心にミーティングを行います。
確認する内容は、主に次のとおりです。
- 宴会の目的
- 開始時間と終了時間
- 当日の進行
- ゲストの人数
- テーブルの配置
- 料理やドリンクの内容
- 担当するテーブル
- 乾杯やスピーチのタイミング
- アレルギーや個別対応が必要なゲスト
- 主催者や来賓の席
- スタッフごとの役割
宴会は、あらかじめ決められたスケジュールに沿って進みます。
一人のスタッフが料理を出すタイミングを間違えると、ほかのテーブルや厨房の進行にも影響しかねません。自分の担当だけでなく、宴会全体の流れを理解しておく必要があります。
宴会場の設営とテーブルセッティング
宴会の内容に合わせて、テーブルや椅子、ステージ、受付などを配置します。
テーブルの上に準備するものも一つではありません。
- テーブルクロス
- 皿
- グラス
- ナイフやフォークなどのカトラリー
- ナプキン
- メニュー表
- 席札
- 卓上装花
- 引き出物
- 調味料
- ドリンクメニュー
席次表や会場図を確認しながら、決められた位置へ正確に並べていきます。
グラスに汚れがないか、椅子の向きがそろっているか、必要な備品が不足していないかなど、細かな確認も欠かせません。
会場の印象を左右する仕事であり、見た目の美しさと作業の正確さの両方が求められます。
ゲストの案内
宴会が始まる前には、会場の入口などでゲストを迎えます。
受付やクロークの場所を案内したり、席が分からないゲストを誘導したりすることもバンケットスタッフの役割です。
大規模なホテルでは、クロークや受付を専任スタッフが担当する場合もあります。一方、小規模な施設では、バンケットスタッフが複数の業務を兼務することも珍しくありません。
高齢者、子ども、車いすを利用する人など、サポートが必要なゲストがいる場合は、状況に合わせた対応が必要です。
料理やドリンクの提供
宴会が始まると、担当するテーブルのゲストへ料理やドリンクを提供します。
コース料理では、進行と厨房の状況を確認しながら、同じタイミングで各テーブルへ料理を運ぶのが基本です。
主な業務には、次のようなものがあります。
- 料理をテーブルまで運ぶ
- 料理の内容を説明する
- 空いた皿やグラスを下げる
- ドリンクの注文を確認する
- ワインやビールを注ぐ
- 水やパンを補充する
- ビュッフェ料理を補充する
- アレルギー対応食を間違えずに提供する
料理を早く運べばよいわけではありません。
乾杯、スピーチ、余興、映像上映などの最中に配膳すると、ゲストの視界や進行を妨げる可能性があります。司会者やキャプテンの指示を確認し、適切なタイミングで動かなければなりません。
宴会サービスでは、正確さ、スピード、テーブルマナー、周囲を見る力が求められます。
宴会の進行補助
バンケットスタッフは、料理やドリンクの提供と並行して、宴会が予定どおり進むようにサポートします。
例えば、次のような対応です。
- 新郎新婦や登壇者が通る場所を確保する
- 照明が暗くなる前に配膳を終える
- スピーチ用のマイクを準備する
- 余興に必要な備品を運ぶ
- 写真撮影のために椅子やテーブルを動かす
- 司会者や音響スタッフとタイミングを合わせる
- 遅れて到着したゲストを席まで案内する
宴会中は、予定どおりに進まないこともあります。
スピーチが長引いたり、料理の提供時間が変更になったり、ゲストから急な要望を受けたりする場面もあるでしょう。
その際は自己判断で大きく進行を変えず、キャプテンや責任者へ状況を伝え、指示を受けながら対応します。
会場の片付けと次の宴会の準備
宴会が終了したら、食器、グラス、クロス、装飾品などを片付けます。
会場によっては、同じ日に次の宴会が予定されていることもあります。その場合、限られた時間で会場を片付け、別のレイアウトへ変更しなければなりません。
午前中は会議形式、昼は着席の会食、夜は立食パーティーといったように、同じ会場を何度も組み替えるケースもあります。
宴会が終わったからといって、すぐに仕事が終わるわけではありません。忘れ物や破損がないかを確認し、次の担当者への引き継ぎまで済ませます。
バンケットスタッフの1日の流れ
バンケットスタッフの勤務時間は、宴会の開始時間や担当する催しによって変わります。
ここでは、昼に行われる結婚披露宴を担当する場合の流れを一例として紹介します。
| 時間 | 業務内容 |
| 10:00 | 出勤、着替え、身だしなみの確認 |
| 10:15 | ミーティング、進行表・担当テーブルの確認 |
| 10:30 | 会場設営、テーブルセッティング |
| 11:30 | 料理、ドリンク、アレルギー対応の最終確認 |
| 12:00 | ゲストの受付・案内 |
| 12:30 | 開宴、料理・ドリンクの提供 |
| 15:00 | 閉宴、ゲストの見送り |
| 15:15 | 食器の回収、会場の片付け |
| 16:00 | 次の宴会の準備、引き継ぎ |
| 17:00 | 業務終了、退勤 |
実際の勤務時間や休憩の取り方は、ホテルや宴会の予定によって異なります。
夜の宴会を担当する場合は、午後から出勤して夜遅くに退勤することもあるでしょう。婚礼や企業宴会が集中する土日祝日、歓送迎会や忘年会の時期は、勤務が忙しくなりやすい傾向があります。
求人を選ぶ際は、始業・終業時刻だけでなく、宴会の延長が発生した場合の対応や、早朝・深夜勤務の有無も確認しておくことが大切です。
バンケットスタッフの役割分担
大規模な宴会では、多くのスタッフが同時に動きます。
全員がそれぞれの判断で行動すると、料理の提供や宴会の進行が乱れてしまうため、指揮系統を明確にしているのが一般的です。
宴会キャプテン
宴会キャプテンは、当日のサービス責任者です。
進行表を確認しながら、厨房、司会者、音響・照明スタッフ、サービススタッフなどへ指示を出します。
進行の遅れや急な変更が発生した場合には、関係する担当者と調整し、宴会全体を管理する役割を担います。
接客技術だけでなく、段取り力、判断力、リーダーシップ、トラブル対応力も必要です。
ヘッドウェーター
規模の大きな宴会では、複数のテーブルや一つの担当エリアをまとめるヘッドウェーターが配置されることがあります。
キャプテンから受けた指示を各スタッフへ伝え、料理を出すタイミングや担当エリアの状況を管理します。
名称や担当範囲はホテルによって異なり、チーフ、リーダーなどと呼ばれる場合もあります。
サービススタッフ
サービススタッフは、担当するテーブルやエリアで料理・ドリンクを提供します。
ゲストと接する時間が長く、ホテルや宴会の印象を左右しやすいポジションです。
ゲストのグラスが空いていないか、困っている様子はないか、料理を下げてもよいかなどを確認しながら動きます。
ホテルによっては、正社員がキャプテンやリーダーを担当し、アルバイトや派遣スタッフとチームを組んで宴会を運営するケースもあります。
バンケットスタッフとレストランスタッフの違い
バンケットスタッフとレストランスタッフは、どちらも料理やドリンクを提供する仕事です。
ただし、接客の進め方には違いがあります。
| 比較項目 | バンケットスタッフ | レストランスタッフ |
| 利用目的 | 披露宴、パーティー、会議など | 日常の食事、記念日の食事など |
| 来店の仕方 | 多くのゲストが同じ時間に集まる | ゲストが順番に来店する |
| 料理 | 事前に決められたコースやビュッフェが中心 | 来店後に注文を受けることが多い |
| 提供時間 | 宴会の進行表に合わせる | テーブルごとの食事のペースに合わせる |
| 会場設営 | 宴会ごとにレイアウトを変更する | 基本的なレイアウトは固定されやすい |
| スタッフ構成 | 多人数で役割を分担する | 担当エリアやテーブルごとに動くことが多い |
| 求められる力 | 一斉サービス、進行理解、チーム連携 | 商品提案、注文対応、個別接客 |
レストランでは、ゲストごとの注文や食事のペースに合わせた接客が中心です。
一方、宴会では多数のゲストに対して、決められた時間に一斉に料理を提供します。個別の接客力に加え、全体の流れを読み、チームと同じタイミングで動く力が重要です。
バンケットスタッフの仕事できついと感じやすいこと
バンケットスタッフは華やかな宴席に携われる一方、体力的・精神的な負担を感じることがあります。
入社後のミスマッチを防ぐためにも、仕事の大変な部分を確認しておきましょう。
長時間立って働くことがある
勤務中は、会場内や厨房との間を何度も行き来します。
料理が載った皿やドリンク、使用済みの食器を運ぶため、足腰や腕に負担がかかることもあるでしょう。
会場設営では、テーブル、椅子、備品などを動かす場合があります。接客業であると同時に、一定の体力が必要な仕事です。
限られた時間で正確に動く必要がある
宴会には、乾杯、スピーチ、料理の提供、余興、閉宴などの進行予定があります。
料理の提供が遅れると、その後のプログラムにも影響するかもしれません。一方、急いで配膳してゲストやほかのスタッフと接触すれば、料理やドリンクをこぼす危険があります。
スピードだけでなく、安全性と正確さを保ちながら動くことが欠かせません。
土日祝日や夜間の勤務が発生しやすい
結婚披露宴は土日祝日に行われることが多く、企業の懇親会や祝賀会は夕方以降に開催される傾向があります。
一般的な会社員と同じ土日休みを希望している人は、働き方が合わないと感じる可能性があります。
ただし、担当する宴会やホテルの営業形態によって勤務時間は異なります。年間休日、希望休の取りやすさ、連休の取得実績などを応募前に確認しましょう。
一度きりの宴会を担当する緊張感がある
結婚披露宴や大切な式典は、主催者やゲストにとって特別な一日です。
料理を別のゲストへ提供する、アレルギー対応食を間違える、進行を妨げるといったミスは、大きな問題につながりかねません。
緊張感のある環境で働くことに、精神的な負担を感じる人もいます。
もっとも、すべてを一人で背負う仕事ではありません。分からないことやトラブルがあれば、キャプテンや周囲のスタッフへ速やかに共有する姿勢が大切です。
急な変更への対応が必要になる
当日になって、ゲストの人数、席順、料理、進行が変わる場合もあります。
グラスを割った、料理が遅れている、ゲストの体調が悪くなったといった、予定外の出来事が起こることもあるでしょう。
決められた手順を守るだけでなく、その場の状況に合わせて行動する柔軟性が求められます。
バンケットスタッフのやりがい
大変な場面がある一方、バンケットスタッフだからこそ得られるやりがいもあります。
特別な一日を間近で支えられる
結婚披露宴、祝賀会、表彰式など、ゲストにとって大切な時間を支えられることは、バンケットスタッフの大きな魅力です。
ゲストから直接感謝の言葉をもらったり、宴会終了後に主催者の安心した表情を見られたりすると、自分の仕事が役に立ったことを実感できます。
チームで宴会を成功させる達成感がある
宴会は、バンケットスタッフだけでは成り立ちません。
宴会営業、予約担当、調理、司会、音響・照明、クロークなど、多くのスタッフが連携して一つの場をつくります。
予定どおりに宴会を終えられたときには、チームで大きな仕事をやり遂げた達成感を味わえるでしょう。
幅広いサービススキルが身につく
バンケットスタッフとして経験を積むと、料理やドリンクの提供だけでなく、テーブルマナー、立ち居振る舞い、会場設営、進行管理、トラブル対応などを学べます。
一度に多くのゲストへ対応するため、周囲を見ながら優先順位を決める力も身につきます。
宴会部門だけでなく、ホテルのレストラン、婚礼、宴会予約、料飲部門のマネジメントなどへキャリアを広げる際にも役立つ経験です。
バンケットスタッフに向いている人
バンケットスタッフに向いているのは、次のような人です。
チームで仕事を進めることが好きな人
宴会では、スタッフ同士が声をかけ合いながら業務を進めます。
自分の担当が終わったからといって動きを止めるのではなく、忙しいテーブルを手伝ったり、ほかのスタッフの状況を確認したりする姿勢が必要です。
個人で成果を出すことよりも、チーム全体で目標を達成することに喜びを感じる人に向いています。
周囲の変化によく気づける人
ゲストから呼ばれるまで待つのではなく、表情やしぐさから必要な対応を考えることが大切です。
例えば、グラスが空きそうなゲストに声をかける、足元に荷物がある場合は荷物台を用意するなど、先回りした行動が喜ばれます。
観察力があり、細かな変化に気づける人は強みを発揮しやすいでしょう。
決められた手順を丁寧に守れる人
テーブルセッティングや料理の提供には、一定の手順があります。
自己流で進めるのではなく、ホテルのルールやキャプテンの指示を理解し、正確に実行することが重要です。
華やかな接客よりも、地道な確認や準備を丁寧に続けられる人が活躍しやすい仕事といえます。
忙しい状況でも気持ちを切り替えられる人
宴会中は、複数の業務が同時に発生します。
料理を運んでいる途中でゲストから声をかけられたり、急な予定変更を伝えられたりすることもあるでしょう。
焦ったまま動くのではなく、優先順位を整理し、必要に応じて周囲へ助けを求められる人に適しています。
体を動かす仕事が苦にならない人
バンケットスタッフは、デスクワークよりも立ち仕事や移動の多い仕事です。
じっとしているより、体を動かしながら働きたい人には向いています。
ただし、体力だけで務まるわけではありません。ゲストへの言葉遣いや立ち居振る舞い、料理を安全に提供する丁寧さも必要です。
バンケットスタッフに向いていない可能性がある人
次のような人は、バンケットスタッフの働き方を負担に感じる可能性があります。
- 常に自分のペースで仕事を進めたい人
- 立ち仕事や重いものを運ぶ作業が苦手な人
- 土日祝日や夜間の勤務を避けたい人
- 細かな手順や確認作業を負担に感じる人
- 周囲と連携するより、一人で完結する仕事を好む人
- 急な予定変更への対応が強いストレスになる人
もっとも、現時点で苦手なことがあるからといって、バンケットスタッフになれないわけではありません。
料理の提供方法やテーブルマナーは、研修や実務を通じて身につけられます。応募前には、教育体制や新人が最初に担当する業務を確認し、自分に合った環境を選びましょう。
バンケットスタッフに求められるスキル
バンケットスタッフとして働くうえで、特に重要なのは次のスキルです。
コミュニケーション能力
バンケットスタッフは、ゲストだけでなく、キャプテン、調理スタッフ、司会者、音響担当など、多くの人と連携します。
必要な情報を簡潔に伝える力と、相手からの指示を正しく理解する力の両方が欠かせません。
大きな声で話すことよりも、忙しい状況でも報告・連絡・相談を怠らない姿勢が重要です。
テーブルマナーと料飲サービスの知識
皿やグラスの持ち方、料理を提供する位置、食器を下げるタイミングなど、料飲サービスには基本的な作法があります。
入社後に研修を受けられる施設もありますが、経験を重ねるほど、料理、ワイン、アレルギー、宴会形式などの知識が求められるでしょう。
時間と進行を意識する力
宴会サービスでは、目の前のゲストだけでなく、会場全体の進行を見る必要があります。
「次の料理はいつ出るのか」「スピーチが始まる前に何を終えるべきか」などを考えながら動きます。
時間を確認し、先の業務を予測して準備する力が重要です。
臨機応変に対応する力
宴会では、予定外の出来事が起こる可能性があります。
その場ですべてを解決できなくても、状況を正しく把握し、責任者へすぐに報告できれば問題ありません。
勝手な判断で進めず、誰に相談すべきかを考えられることも対応力の一つです。
基本的な体力
宴会場と厨房の間を移動し、料理や食器を運ぶため、一定の体力が必要です。
正しい姿勢や安全な運び方を身につけることも欠かせません。無理に一人で重いものを運ばず、周囲と協力する判断も求められます。
バンケットスタッフに資格は必要?
バンケットスタッフになるために、必須となる資格は基本的にありません。
未経験者を対象とした求人もあり、料理の運び方、テーブルセッティング、接客マナーなどは、入社後の研修やOJTで学べる場合があります。実際にホテルの採用情報でも、未経験者を含めて募集している例が見られます。
ただし、専門知識を身につけたい場合は、次の資格が役立つことがあります。
- レストランサービス技能検定
- サービス接遇検定
- ホテルビジネス実務検定
- マナー・プロトコール検定
- TOEIC L&R
- 観光英語検定
なかでもレストランサービス技能検定は、料飲サービスに関する知識と技能を評価する国家検定です。試験に合格すると、レストランサービス技能士を名乗れます。
ただし、資格を取ってからでなければ応募できないわけではありません。
未経験者の場合は、資格の数よりも、接客経験、チームで働いた経験、忙しい状況で対応した経験などを具体的に伝えることが重要です。
関連記事:ホテルマンに資格は必要?就職・転職に役立つおすすめ資格9選と効率的な勉強方法
未経験からバンケットスタッフになれる?
バンケットスタッフは、未経験から挑戦できる仕事です。
特に、次のような経験は仕事に活かしやすいでしょう。
- 飲食店でのホール業務
- 結婚式場でのアルバイト
- 販売店での接客
- イベント会場の設営や運営
- 受付や案内
- ホテルのレストランサービス
- チームリーダーや新人教育
- クレームやトラブルへの対応
面接では、単に「接客経験があります」と伝えるだけでは十分ではありません。
どのような状況で、何を考え、どのように行動したのかまで説明すると、バンケットスタッフとの共通点が伝わりやすくなります。
例えば、飲食店で複数のテーブルを担当していた人なら、注文状況を把握しながら優先順位を決めて動いた経験をアピールできます。
イベント運営の経験がある人は、当日の進行確認やスタッフ同士の連携を具体的に説明するとよいでしょう。
バンケットスタッフのキャリアパス
バンケットスタッフとして経験を積んだあとは、次のようなキャリアが考えられます。
- ヘッドウェーター
- 宴会キャプテン
- 宴会サービスの主任
- アシスタントマネージャー
- 宴会サービスマネージャー
- 料飲部門の責任者
- 宴会予約
- 宴会営業
- ウェディングプランナー
- レストランサービス
一般的には、サービススタッフとして接客や配膳の基本を身につけたあと、担当エリアをまとめるリーダーや、宴会全体を管理するキャプテンを目指します。
その後は、スタッフの教育、シフト管理、備品管理、売上や原価の管理など、マネジメント業務を担当する可能性もあります。
宴会サービスで培った接客力や進行管理力を活かし、宴会予約、営業、婚礼、レストランなどへ異動する道もあるでしょう。
ただし、役職名や昇進ルートはホテルによって異なります。将来希望する仕事がある場合は、面接で異動制度やキャリア事例を確認しておくことが大切です。
バンケットスタッフの求人を選ぶときのポイント
同じバンケットスタッフでも、ホテルによって仕事内容や働き方は大きく異なります。
求人票では、次の項目を確認しましょう。
担当する宴会の種類
結婚披露宴を中心に担当する施設もあれば、企業宴会、会議、学会、立食パーティーが多いホテルもあります。
宴会の種類によって、求められる接客や勤務時間は変わります。どのような催しが多いのかを確認しておきましょう。
正社員と非正規スタッフの役割分担
ホテルによっては、正社員がキャプテンや管理業務を担当し、当日の配膳をアルバイト・派遣スタッフと一緒に行います。
一方、正社員も日常的に配膳や会場設営を担当する施設もあります。
「接客を中心に働きたいのか」「将来的にスタッフ管理や宴会運営へ進みたいのか」によって、適した職場は変わるでしょう。
勤務時間と休日
宴会の開始時間だけでなく、設営や片付けを含めた実際の勤務時間を確認します。
面接では、次のような点を質問しても問題ありません。
- 早朝勤務や深夜勤務はあるか
- 宴会が延長した場合はどうなるか
- 土日祝日に休めることはあるか
- 希望休は出せるか
- 繁忙期はいつか
- 月の平均残業時間はどの程度か
- 連休を取得できるか
仕事内容に魅力を感じても、勤務時間や休日が合わなければ長く続けるのは難しくなります。
研修や教育体制
未経験から応募する場合は、入社後の研修内容を確認しましょう。
いきなり一人でテーブルを任されるのか、先輩スタッフと一緒に動くのかによって、働き始めたときの負担は変わります。
テーブルマナー、料理・飲料の知識、アレルギー対応、会場設営などを体系的に学べる環境なら、未経験者でも仕事を覚えやすいでしょう。
キャリアアップの選択肢
キャプテンやマネージャーを目指せるのか、宴会予約や営業へ異動できるのかも確認したいポイントです。
入社直後の仕事内容だけでなく、3年後、5年後にどのような仕事へ進めるかまで考えて求人を選びましょう。
バンケットスタッフに関するよくある質問
バンケットスタッフとウェディングプランナーの違いは何ですか?
バンケットスタッフは、主に結婚披露宴当日の会場設営、料理・ドリンクの提供、進行補助を担当します。
ウェディングプランナーは、新郎新婦との打ち合わせを重ね、料理、衣装、装花、演出、進行などを決める仕事です。
施設によって担当範囲は異なりますが、計画を立てるのがウェディングプランナー、当日のサービスを担うのがバンケットスタッフと考えると分かりやすいでしょう。
関連記事:ホテルウェディングプランナーの年収は?給与相場と年収アップにつながる経験を解説
バンケットスタッフに英語力は必要ですか?
すべての職場で英語力が必須になるわけではありません。
ただし、外国人ゲストの多いホテル、外資系ホテル、国際会議を扱う施設などでは、英語で料理や会場を案内する場面があります。
英語力を活かしたい人は、求人票の語学要件だけでなく、外国人ゲストの利用状況も確認しましょう。
アルバイトと正社員では仕事内容が違いますか?
料理・ドリンクの提供や会場設営など、基本的なサービス業務は共通する場合があります。
一方、正社員は、宴会の進行管理、スタッフへの指示、シフト作成、備品管理、新人教育などを任されることがあります。
求人によって担当範囲が異なるため、雇用形態だけで判断せず、具体的な業務内容を確認してください。
バンケットスタッフは髪型や身だしなみに厳しいですか?
料理を扱い、フォーマルな宴会で接客するため、清潔感のある身だしなみが求められます。
髪型、髪色、ネイル、アクセサリー、ひげなどの基準は、ホテルや結婚式場によって異なります。
応募先に独自のルールがある場合もあるため、選考時や入社前に確認しましょう。
バンケットスタッフは料理を作りますか?
基本的に、バンケットスタッフは料理を作りません。
調理は厨房の調理スタッフが担当し、バンケットスタッフは完成した料理を会場へ運び、ゲストに提供します。
ただし、会場内で料理を取り分けたり、ドリンクを用意したりすることはあります。
バンケット(宴会)スタッフについて解説しました
バンケットスタッフとは、ホテルや結婚式場の宴会場で、会場設営、ゲストの案内、料理・ドリンクの提供、宴会の進行補助、片付けなどを担当する仕事です。
結婚披露宴だけでなく、企業パーティー、会議、祝賀会、同窓会、国際会議など、さまざまな宴会に携わります。
多くのゲストへ限られた時間でサービスを提供するため、チームワーク、正確さ、周囲を見る力、臨機応変な対応力が欠かせません。
立ち仕事が多く、土日祝日や夜間の勤務が発生しやすいなど、大変な部分もあります。一方で、ゲストにとって特別な時間を支え、チームで一つの宴会を成功させる達成感を得られる仕事です。
バンケットスタッフを目指す際は、華やかなイメージだけで判断せず、担当する宴会の種類、勤務時間、教育体制、正社員と非正規スタッフの役割分担まで確認しましょう。
自分の接客経験や希望する働き方を整理したうえで、無理なく長く続けられる職場を選ぶことが大切です。

